
さくらレンタルサーバーで複数のドメイン利用を考えている方へ、メールに関して重大な落とし穴があるので記事にしました。
さくらレンタルサーバーについて
さくらのレンタルサーバ1996年からサービスを提供しており、最大手ならではの手厚いサポートや使いやすいコントロールパネルにより、専門知識の無いユーザーから玄人まで多くのシェアを獲得しています。

個人的にはテスト用サイトが直感的にワンクリックでできる「スナップショット&ステージング機能」が他のレンタルサーバーには無いお気に入り機能です。
「複数ドメイン」「マルチドメイン」について
ここからは「複数のドメインを一つのサーバーで利用するつもりの方、さくらにするのはこれを読んでからにして!」という記事です。(もう契約している方も多いかもしれませんが・・・)
まずは前提となる知識についてです。
ドメインについては以下をご参照ください。
さくらレンタルサーバーを始め、ほとんどすべてのレンタルサーバー業者は「マルチドメイン」に対応しています。
なお、一応言及しておくと、厳密には「マルチドメイン」は「複数のドメインを1つのレンタルサーバーで使うこと」ではありません。
これはサーバーに複数の独自ドメインを登録し、それぞれ別のwebページとして公開できる機能です。
あくまで、webページに限った語なのですね。
「webページやメールなどで複数のドメインを使う」という意味で「マルチドメイン」という言葉を使っている方もいると思いますので、一応。
webサーバーとしては問題無し、メールサーバーとして大問題
さて本題ですが、さくらレンタルサーバーはメールサーバーとしては大問題をはらんでいます。
通常使いであればその問題は出ませんが、前述のように複数ドメインを1つのサーバー内で利用したい場合は致命的な問題が出てきます。
それは、「ドメインごとに受信ボックスが作られない」ということです。
@マークより前の部分(ユーザー名)ごとに分けることは可能なのですが、@の後ろのドメイン名の違いは一切考慮されずに受信ボックスにメールが入ってきてしまいます。
つまり、「info@abc~.com」「info@def~.com」が1つのさくらサーバー内に設定された場合、ユーザー名が同じ「info」のためメールはどちらも同じ受信ボックスに放り込まれます。
それぞれでメール設定を行っても、2つのメールアドレスで受信したものが一緒くたになって受信ボックスに表示されます。

違うメールアドレスで受信したメールも一緒に表示されちゃうなんて不便すぎる…
回避方法はあるのか?
回避策は3つあります。
ユーザー名をバラバラにする
サーバー内のすべてのメールアドレスのユーザー名部分をすべて別のユーザー名にすればこの問題は発生しません。
例えば、 「info@abc~.com」 というメールアドレスを設定した場合は、その他のドメインでは「info」というユーザー名を使わないようにするということです。

でもinfoってごく一般的なユーザー名だと思うので、使えないとなると困る場面もありそう。
「ビジネスプラン」以上の契約(+サーバー移行)
さくらのスタンダードプランが月額524円に対してビジネスプランは月額2,619円/月と決して気軽に変更できる金額ではありません。
しかもさくらのレンタルサーバーはワンクリックでのプラン変更に対応していません。
すでにスタンダードプランなどで運用してしまっている場合、新規でビジネスプランを契約し、サーバー移行を行わなければなりません。
つまり、メールの設定も1からやり直しですし、webサーバーもお引越し作業が必要です。
その間、メールの送受信が止まってしまったり、やり方によってはwebページが閲覧不可になるタイミングもあります。

のちのちサーバーをグレードアップさせる可能性があるのであれば、複数ドメインの予定がなくてもさくらはやめといた方が無難かもしれませんね…。
プラン変更出来ないの地味にきつい!さくらさん、せめてここくらいは対応してください~!
メールサーバーを別のサーバーにする
結局どこか別のサーバーを契約する必要はありますが、webサーバーはさくらレンタルサーバー、メールサーバーは別のサーバーという設定を行えばこの問題は回避できます。
ただしこれはネームサーバー設定をいじる必要があり、不用意に触るとメール送受信が一切不可能になる他、webページも見れなくなってしまう可能性もあります。つまり、上級者向けです。
そしてこの方法を取る場合、メールサーバーをどこで契約するか、という問題にぶち当たります。
もしすでにさくらレンタルサーバーを運用していてweb周りのサービスを分散させたくない!という場合、「さくらのメールボックス」でメール専用のサーバーを契約すれば一応、同一のさくら会員IDで管理することができます。(コントロールパネルは別です。)
年間1,048円と、通常のサーバー借りるより大変お安いところもポイントでしょうか。
ただし、このプランも結局ドメインごとに受信ボックスを分けてくれないようなのでドメインの数だけメールボックスを契約しなくてはならない点は注意。
ドメイン2つ、3つくらいだったらこれでもいいのではないかなという気がします。同じさくらサービス内ならおそらく何かあってもサポートデスクで対応してもらえると思いますし。
後ほど判明したのですが、さくらサーバーに既に登録しているドメインを、さくらのメールボックスでは登録することができませんでした。(「既に登録されているので登録できませんでした」的なエラーメッセージが出てしまった)
そのため、今回の事象の回避策としてさくらのメールボックスは使えないということになります。
もう少し詳しく書くと、どうやら同一契約下にある2つ以上のさくらサーバーで、同じドメインをそれぞれ登録はできない仕様となっているようです。(DNSサーバーでのドメイン重複チェックをかけているっぽいです。まあこのやり方普通じゃないもんね。)
これは言い換えると、さくらインターネットのアカウントをもう一つ増やせばできなくはないのですが、そうしてしまうと結局管理画面がばらばらになってしまうので本末転倒ですね。
何個も契約してらんない!でも安く済ませたい!という場合は「お名前メール スタンダードプラン」の利用も選択肢に入るでしょうか。一通り見た感じだと複数ドメインでも大丈夫そうです。
特に、ドメインをお名前.comで取得されている方は一考の価値はあると思います。
もちろん、DNS周りの設定ができるという前提ですが・・・。

当方実際にお名前メールを複数ドメインで運用したことはないので、自己責任でお願いします。
もしご存知の方おられましたら、情報提供お待ちしております
独り言:「ネームサーバー」を変更する話
DNS設定を変更するマニュアルには必ず、『ネームサーバーを~にしてください』という各業者指定のネームサーバーが記載されています。例えば↓とか。
でも別に必ずしもネームサーバーを変更する必要は無いはずです。
あくまで、「お名前.comの設定画面上で編集したネームサーバー設定はお名前.comがネームサーバーに設定されているときだけ有効になりますよ」ってことですね。
つまり、さくら指定ネームサーバーのままでお名前メールを利用したい場合、さくらのDNS設定画面でMXレコードをお名前の方に向ければ問題ないはずです。
以下の記事もご参考ください。
しかしながら、各社でそのあたりどういったチェックをかけているかは不明なので、事前に問い合わせて問題ないかを確認するのが一番確実です。

経験が無い場合は事前に問い合わせ。見切り発車はダメ絶対。
ちなみに当ブログが利用中のレンタルサーバー
なお紆余曲折経て、現在当ブログでは「mixhost」という月額968円からの高性能クラウド型レンタルサーバー を利用しております!
特にこれといった不具合もなく、上述の複数ドメインでの問題もなく、またプラン変更も入金後即反映なので、複数ドメイン利用を考えている方や今後サーバープラン変更を考えている方はmixhostも選択肢に入れる価値はあると思います。
mixhostは高機能な割にコストは低めでコスパよし、さくらは最大手ならではのわかりやすい画面で初心者でも気軽に始められる、というのが違いでしょうか。
mixhostはコントロールパネルがわかりにくいので自分でサポートに問い合わせしたり、調べたりする手間がかかる可能性があります。
普通にブログで使うくらいだったら、メール設定くらいでしかコントロールパネル触ることは無いんですけどね。
以前問い合わせしたときはサポートも結構早く返事が返ってきましたし。
またmixhostでは、以前コロナウイルスの関係でマスクが手に入りにくくなった際、マスクプレゼント!という企画も行っており実際に届いた封筒の中には「上位表示祈願」的な紙のお守りも入っていました笑

そういうちょっとした心遣いが嬉しいですよね~
最後にそれぞれの公式ページのリンクを改めて貼っておきます。
mixhost

さくらレンタルサーバー

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これからも役に立つ記事を沢山書いていこうと思います!ありがとうございました!
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