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考察系ゲーマーです。
複雑なストーリーのゲームをプレイしては考察・情報整理した記事を執筆しています。その他ゲーム紹介記事なども執筆しています。
FF15ストーリー理解の前提知識は前回記事で
こちらの記事はFF15考察第4弾 ノクティスとルナフレーナの関係性についての考察です。
第1弾ではイオスの世界に散らばる創星記を基に、ストーリー理解のための前提知識を解説。
「そもそもFF15のストーリーよくわかんなかったよね」という方はまず第1弾からお読みいただくのがおすすめです。
史上初?主人公と一言も話さなかったヒロイン

FF15のヒロインであり婚約者であるルナフレーナですが、ゲーム中、ノクトと直接的な交わりが一切ないままに亡くなるという、数々の悲劇のヒロインもびっくりの早期退場を見せたのはみなさんも覚えているかと思います。

ルナフレーナとの最期の別れのシーンはなぜかノクトが幼少期の姿のままでした。
これはルナフレーナが現在のノクトの姿をほとんど見たことが無く、声も知らないことを表していると思われます。

プレイヤーの知らないところで交流を深めていたわけでは無く、ガチで知らないとは・・・そんなヒロインがあっていいのか・・・・!?

ゲンティアナからノクティスへ伝えられたルナフレーナの想いの回想シーンでも、「声を聞きたかった」と非常にささやかな望みを語っています。可哀想なルナフレーナ…。
こんな扱いで大いに不満だったファンは多数いたことでしょう。私ももちろんその一人です。

ヒロインなんだからもっと何かあるよね!?と思ってました
まあでもこれって、「ヒーローとヒロインは旅の中で絆が深まって然るべき」という固定観念に結構縛られてたんだなあとあとから気づいたんですけども。
この記事では、この一見して非常にわかりにくいノクトとルナフレーナの関係性について、考察も交えながら整理していきたいと思います。
ノクトとルナフレーナの立場をおさらい
まず結論からですが、ノクトとルナフレーナは恋人同士ではなく政略結婚による婚約者同士という関係性です。

政略結婚ではよくある(?)、小さい頃に少し交流があるくらい、程度の関係の深さなんです。本当、これからってときに・・・だったんですよね。
なお、この結婚が決まった背景については第2弾考察でお話していますのでそちらもぜひ。
さて、続いてはなぜ2人はほぼ交流が無いままに、悲しい結末に至ってしまったのか?を深堀りしていきます。

ノクトはルシス王家成立2000年の歴史の中で史上二人目の「クリスタルに選ばれし王」です。
詳しくは考察第2弾を御覧いただきたいのですが、命を賭けて星の病を払うという世界にとって超重要な使命を帯びています。

そしてルナフレーナは、選ばれし王が存在する時代の神凪であり、さらには生まれたときに六神の使いから祝福をうけるという超逸材として、世界中多くの人々から将来を期待され続けていた背景があります。
神凪の使命については考察第1弾で詳しくお伝えしていますが、誓約をはじめとして、選ばれし王が使命を果たすための様々なサポートを行うことが使命です。
一般的に主人公やヒロインが過酷な運命を背負っている場合、その使命を果たさなくても良い手段があるのではないか?を模索するのがストーリー的な王道ルートだと思います。
この2人(そして周囲の人間のほとんど)がそれぞれの使命に疑問を持たず、抗おうとせず、素直に受け入れているが故の悲劇だったのかなとおもいます。なんやかんや2人とも、真面目なんですよね。とにかく。

まあ根も葉もない事をいうと制作側の意図する作品の方向性として、相棒3名との旅をより印象付けたかったのもなんとなく透けて見えますよね。
この記事ではその意図をどのようにっして物語や設定内で折り合いをつけていたのかに迫りたいと思います。
そもそも歴代ルシス王と神凪の関係性は元から割と希薄
2人の関係性をわかりにくくしている原因が、そもそもルシス王と神凪は生活する国すら違い、交流の機会もあまりないのが普通という前提があまりはっきり示されていなかったことだと思います。
ルシス王と神凪が親密な関係になっていた前例があまりないと思われる描写があります。
ノクトは幼い頃シガイに襲われ大怪我を負い、その療養のために一定期間テネブラエに滞在していました。
ゲンティアナと幼いノクトの会話の中で、ルナフレーナのことを「ルーナ」と呼んでいることにゲンティアナが軽い驚きを見せていたシーンが有りました。


「仲がいいのは良いこと」と言っていましたが、その発言から私は、王と神凪は普通はそんなに友達みたいに仲良くなるもんじゃないのかーという印象を受けました。
まあ、誕生のタイミングによっては王と神凪でかなり年齢差が生じることも少なくないでしょうしね。
「ルシス王と神凪はもともとそこまで交流することはない」という前提があれば、ストーリーももう少し受け入れられたんじゃないかなと思いますね。
選ばれし王の代ではない場合だと余計にルシス王と神凪が共にいる理由が全くないわけなので、例えばレギスと前神凪(ルナフレーナの母親)はノクトとルナフレーナよりもさらに関わりがなかったんじゃないかと思っています。

エピソードアーデンでは初代ルシス王の手で当時の神凪が殺害されるという出来事が描かれています。不可抗力とはいえそれを考慮すると、フルーレ家とルシス王家は一定の距離感を持ち続けていたのではないかと思われます。
そんな元から意外と希薄な関係性だったと思われるルシス王と神凪ですが、ノクトとルナフレーナは交換日記をしていました。これはノクトの療養が終わるときにルナフレーナの提案で始めたものです。

選ばれし王と神凪は「星の病を払う」という共通の目的に向けて進まねばならない。それなのに違う国でそれぞれ暮らしていくことになる、それでいいのだろうか?
ルナフレーナはそんな使命感から、何らかの形でルシス王とつながっておきたくて交換日記を申し出たのではないかと思います。

もちろん、過ごした時間が楽しくて、もっと交流したかったという思いもあったでしょう。
でも自分の都合を押し通して交流の機会を作り出すことはできない・・・、交換日記はそんな真面目なルナフレーナの精一杯の抵抗でもあったのではないでしょうか。
ちなみに、交換日記の最初はジールの花の押し花がありました。そしてルナフレーナからの最後の交換日記も、ジールの花の押し花でした。切ないですね。

前置きが長くなりましたが、ノクトとルナフレーナはお互いの立場上、積極的に交流することが難しい環境下にいました。
ノクトは当時はかなり幼かったですし、ルナフレーナもその性格上、また会いたいと思っていたとしても自分のわがままを押し通すような人間ではありませんでした。
その結果、直接の対面は無く交換日記のみの交流が続けられることになったのだろうと思います。

交換日記のやり取りがそんなに続くものなんか・・・?ピュア過ぎないか?とも思うのですが、BROTHERHOODでは高校時代のノクトの様子も描かれており、王子ということもあり他人を寄せ付けないような過ごし方をしていたようです。それも幸いして(?)、他の女性の影はなさそうでしたね。
ノクトがルナフレーナの死にどのくらい悲しんでいたのか

プレイして感じていたのが、ルナフレーナが亡くなってしまったことに対してノクトからの感情表現があまりなく、浅いと感じていました。
まあ考えてみるとそれって無理も無いような気がしています。
理由は2つあって、①ノクトはルナフレーナが自分のためにどこまで頑張ってくれていたのか知らなかったから、②ノクトはそもそもルナフレーナのことをほとんど知らないから、だと考えています。
まず①についてですが、ルナフレーナってノクトのために神凪としてかなり体張ってたんですよね。でもそれを知るのが遅すぎた感があります。

例えば、六神の啓示を受けることに関して、先にルナフレーナが誓約をしてくれていることをノクティスは知りませんでした。
タイタンの啓示を受ける際に、タイタンからのビジョンでノクトはそれを初めて知ります。

当時ルナフレーナの役割や力、使命が何も分かっていなかったのは、ノクトもプレイヤーも同じでしたね。
時は過ぎ、度重なる誓約でルナフレーナの身体にもかなり影響が出ていたことを知ります。しかしルナフレーナの動きを知るには間接的な方法しか無いため、これを知ったのもルナフレーナが亡くなってからでした。

これをノクトがもっと早く知ってたらもう少しこみ上げる思いもあったはずですし、何ならルナフレーナが誓約をしなくても良い道を模索するような、もっと違う結末もあったのかもしれませんよね。
② ノクトはそもそもルナフレーナのことをほとんど知らないから、 については、ノクトの中ではルナフレーナはテネブラエ療養期間中の思い出しか無く、その思い出の中で感じられる悲しみに留まってしまっているのかなと思いました。

自分になにかあっても必要以上に悲しませなくないというルナフレーナの意思なのかもしれませんけど、やっぱりもうちょっと交流があっても良かったんじゃないかねえ
ルナフレーナの神凪としての信念とノクトへの想い

ルナフレーナにとって、ノクトは神凪として支えるべき存在であり、それ以上の感情は持ち合わせないようにしていたのかなと思っています。
自分の私的な感情がノクトに伝わると、ノクトの使命を果たすことに対しての何らかの障害になるかもしれず、それは神凪の使命に反するからです。

持っていたとしても、それを周囲には出していなかったようです。しかし誓約の完了も目前に迫ったとき、レイヴスとゲンティアナにはルナフレーナ個人の想いを伝えています。

選ばれし王と神凪、2人はそれぞれ使命を負っている立場です。どちらかがその使命に疑問を持つなりしないと結ばれるのは難しい運命にありました。
ちなみに、ルナフレーナが亡くなったムービーの後に得られるトロフィーが「それぞれの使命」となっていることもその事実を補完していると言えるでしょう。

ノクトに対し深い愛情を持ちながらも、その気持ちをおくびにも出さず命を賭けて使命を遂行してしまうあたりが、やっぱりルナフレーナは真面目で頑固で完璧すぎですよね。

死ぬ間際、とても大切に思う人に対して「会いに来てくださっただけで十分です」しか言わないなんてことがありえるのか・・・・とんでもない自己犠牲精神の塊ですね
これこそが、ルナフレーナの神凪としての抜群の素養ということなんでしょうかね・・・
(余談)2人の悲しき使命に活路を見出そうとした唯一の人物

冒頭、2人の使命に対してほとんどの人物が疑問を持たなかったと書きました。唯一の例外がルナフレーナの兄、レイヴスです。

彼は本当に可哀想でならず、彼の名誉のためにもここで取り上げさせてください
レイヴスは神凪である妹の一個人としての想いが蔑ろにされてしまうことを憂い、様々な行動に出ています。
KINGSGLAVEにて彼は光耀の指輪をはめその代償に左腕を焼かれていますが、エピソードイグニスにてその意図が「便りないノクトに代わって闇を払おうとしたから」と明かされています。
神凪の力をやたらに行使させず、早く妹を使命から開放したい気持ちの現れだったということです。
また、本編ではレイヴスがルナフレーナに宛てたメモを読むことができますが、彼女に対し誓約をやめるよう諭す一文も確認できます。


それでも結局ルナフレーナは信念を曲げずに誓約を続けます。妹のためにどうにかしてやりたいが何もできないのは非常に歯がゆかったことでしょう
最後の誓約の直前、ルナフレーナは「自分の代わりに指輪をノクティスに渡して欲しい」と珍しく弱音を吐きます。
そんなルナフレーナに、神凪ではなく一人の人間として、想いと覚悟を伝えるのだと説得しています。

妹のために続けた行動の甲斐なく、結局ルナフレーナは神凪としての使命を果たして命を落とすことになります。
彼女に後悔など無いと分かっていても、やはり妹には普通の人と同じささやかな幸せを味わってほしかったと、死してもなお神凪の使命に縛られ続ける妹の身を案じていました。

なんて優しい兄なんでしょうね。
この後レイヴスに待ち受ける残酷な結末を思うと、彼も本当に可哀想でなりません。

エピソードイグニスでifルートによる救済があったとしても、それでも、やはり暗い気持ちになってしまいます。レイヴスも報われる未来が無いのかと・・・。
まとめ

やはり、稀代の神凪 ルナフレーナが物語の鍵を握っていたのだろうと今改めて思います。
ルナフレーナがもっと自己開示することがあれば、物語は全く違う方向に進んでいたのかもしれません。
でもそんなことをしないからこそ、ルナフレーナは稀代の神凪であり、選ばれし王の代の神凪だったのでしょうね。

本編エンディングでは2人の結婚式のようなムービーが流れます。
最終的には二人は目を閉じて安らかに眠りについたような表情をしていますが、これは亡くなっていることを表しているのでしょうか。だとしたらとても悲しい。。。

ま、正直なところを言えば、やっぱり4人での旅の方をより強く印象付けたかったのが大きいとは思うのですが。
小説もじっくり読ませていただきたいと思います。ていうか残りのエピソードの開発はよ(何度でもいう)
これにてFF15考察シリーズは終了となります。最後までお読みいただきありがとうございました。
後日談:小説も読みました
えー、読みました。
細かいことは言いませんが、FFXVプレイ済みでまだ小説を読まれていない方は読むことをお勧めします。
この壮大な物語が本来の想定とは違う形で公開されることになりましたが、日の目を見ることができただけでもよかったのかなと思います

ですが、しかし、やはり読みながら「多分こういうムービー流れるんだろうな」みたいなのが脳内再生余裕過ぎてやっぱつれぇわでした。
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