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パズルのように複雑なFF15のストーリーを、イオスの世界に散らばる「創星記」の断片から読み解きます。
筆者について
れんじゃくです。ストーリーを骨の髄まで味わい尽くす系のゲーマーで、2020年ころから備忘録としてブログにて感想や考察内容をシェアしています。
FF15ストーリーの理解には「神話」の理解が必要!なのに…
JRPGの筆頭、ファイナルファンタジーのナンバリングタイトルでありながら賛否両論(否のほうが多いかな)の大論争を巻き起こした「ファイナルファンタジーXV(FF15)」。
ストーリーが中途半端という評価が多いものの、私の中では「プレイヤーが意識的に情報収集に動けば、FF15を完成されたストーリーとして楽しめるのではないか。」という仮説がありました。
今回その仮説を確かめるためにFF15を再プレイしました。アップデートによる追加情報も含め、ストーリー周りの情報収集に徹して以下の結論にたどり着きました。
FF15は「イオスの神話」のことが分かっていないと、ストーリーの大筋すらついていくのが困難。
FF15の世界であるイオスの民は「神話」についてよく理解しているようです。
ノクトも、旅のお供たちも、最初から皆なんとなく知っているところからのスタートです。
物語冒頭から、「神話」「クリスタルに選ばれし王」「六神」「星の病」「神凪」「光耀の指輪」という神話ワードが連発されプレイヤーとしては「????」という状態にいきなり陥ります。
いつかどこかで説明が入るのかな~、と思いきや、プレイヤーである私達に詳しく教えてくれる場面はストーリーの最後までありませんでした。

ルシス王家に直接関わらないプロンプトが質問係を努めている感はあったのですが、それでも部分的なところしか聞いてくれなかった…。
私達プレイヤー側が神話のことを知るためには、世界各地に散らばる「創星記」という書物を見る必要があります。

皆さんはプレイ中、何冊の創星記を読んだでしょうか?内容は覚えていますか?
本当に大切な情報なのに、テキストであっさりとしか表示されないという冷遇っぷりです。スルーしちゃった人がほとんどではないでしょうか。
2022/10/17追記
追加要素のあるロイヤルパック・ロイヤルエディションでは「アーカイブ」機能が追加されたことで、一度読んだ創星記をメニュー画面から呼び出して読めるようになります。創星記以外の読み物系も対象です。

ムービーであってもいいくらいの情報だと思うんですけどねえ…。
今回はこの「創星記」を中心に据えつつ、FF15のストーリー振り返りをしたいと思います。考察も織り込んでいきます。
FF15の舞台・イオスと六神について

FF15の世界「イオス」は六神が存在し、創星記によれば「六神が星を総(す)べている」とあります。シヴァに言わせれば、「六神は星を守る存在」なのだそうです。
なお、ゲームをプレイした人ならわかるようにイオスの神々は物理的に存在しています。
しかし六神は人間の前に現れることはほぼなく、今は「星の病」に備えて長い間眠っている状態です。(一部の神は本編開始時点ですでに討伐されています)

六神と人間との歴史についてはシヴァの啓示のシーンで「星の過去」というテーマで聞くことができます。以下かんたんな要約です。
かつて火の神イフリートは人間が星の繁栄に寄与すると信じ、彼らに火を与えました。そして人間による原初の文明ソルハイムが興りました。
しかし文明の繁栄が高みに達した時、人間は神の恩を忘れて排斥しようとします。
この人間の行為に怒り狂ったのが、イフリートでした。彼は人間もろとも世界を焼き尽くそうとします。
シヴァは星を守るため、人間側に付きイフリートと戦いました。(その他の神がどちら側に付いたかは不明)

この人間と六神同士の戦いは「魔大戦」と呼ばれています。この戦いによりソルハイムは滅亡、神々は傷つき、長い眠りについたのだそうです。
※なお、魔大戦後、六神は少なくとも一度、眠りから目覚めています。(詳細は星の病の部分で後述)
前文明・ソルハイムの人間が、なぜ六神を排斥しようとしたのか
おそらく自然災害に悩んだ結果だと思われます。
現にゲーム中ではタイタンによる地震、リヴァイアサンによる水害、シヴァによる吹雪がプレイヤーに襲いかかりますね。
イフリートが「裏切り者の炎神」である理由

魔大戦において人間と敵対したことから、人間にとっては「イフリートは裏切り者」と言えます。
創星記も人間が記したものでしょうから、そういう記載になってしまうのも仕方がないと思う反面、やっぱり「火を授けてくれた」という恩を人間たちはすっかり忘れてしまっているんだなとおもいますね。
神凪とは?どんな力を持つ?

「神凪」とは一体どんな役割を担っているのか?疑問に思われた方は少なくないと思います。
創星記によれば、あるとき剣神バハムートがひとりの女性に星の力と逆鉾を授けたとあります。

ひとりの女性とはおそらくフルーレ家の女性、つまりルナフレーナのご先祖様のことと思われます。
フルーレ家についてはルナフレーナのキャラクター図鑑にも「神話の時代から続くフルーレ家」という説明書きがありましたが、それはこの創星記の記述が元になっているようです。
星の力とは、「魔法」のようなものと思われます。(この世界では本来、魔法はルシス王家しか使うことができません。)
実際どんなことができるのか、全貌は明らかになっていませんがゲーム中明らかになっているのは以下のとおりです。
ルシス王家成立について考察
イオスでは「ルシス王家の誕生」が神話として語られており、この逸話がFF15メインストーリーの根幹にあります。

邪悪なるもの 瘴気を招き 空を淀ませ 大地を蝕む
勇敢なる王と騎士 剣を携え 神とともに戦い 闇を振り払う
久年の平和を祈り 紙は人の王に光耀を授ける
魂を継ぎ 聖石を護り いずれ来る災厄に備えよと
FF15本編『創星記原本 十五章 序の二より抜粋』より
神話の情報をまとめ、ゲーム中にあった補足を追加した要約は以下です。
それぞれの項目について解説していきます。
「星の病」「シガイの正体」について考察
約2000年前、寄生虫が原因の病が流行した。この病にかかった者は化け物とみなされ、殺された。

これはアーデンが「それはそれは大昔の話」として語っていた内容です。さらに帝国のシガイ研究所内には「シガイの大量発生と感染症の間の因果関係」をほのめかす資料が大量にありました。

総合すると、シガイとは「寄生虫由来の感染症」に罹患した者たちの成れの果てであり、大昔からその被害があったということで間違いないでしょう。
さて、その「大昔」とはいつだったのかですが、アーデンのキャラクター図鑑に、「ルシスの初代王になるはずだった男」とあります。…ルシス王今114代だぜ?


え、タルコットが「アーデンが歴史書に載ってたのはすごい昔」って言ってたけど、そんなに前だったんだね?「死にたくても死ねない」とは言っていたけど想像以上に長生きしてるね
アーデンの「それはそれは大昔」の話が「アーデンが生きていた時代の話」だと仮定すれば、この寄生虫の話はルシス王家成立の時代である約2000年前となります。
※「約2000年前」の根拠はアルティマニアのプロローグの一文「ルシスの始まりから2000年の時が流れた。」より。
創星記の話に戻りますが、「邪悪なるもの 瘴気を招き 空を淀ませ 大地を蝕む」が先程のアーデンの話と同一のものだと考えられます。「星の病」が約2000年前にも一度あったのです。
「1回目の星の病」

このあと創星記は「勇敢なる王と騎士 剣を携え 神と共に戦い 闇を振り払う」と続きます。1回目の星の病は、初代ルシス王と六神の力を持って闇を払うことができました。
対して、ノクト達が直面している星の病は、「六神の力ではもはや星の病を救うことは出来ない」 とシヴァやバハムートの啓示にて彼らが匙を投げてしまっているように、かなり深刻なものです。
なので1回目について「星の病」という呼び方はあまり適切ではないと思います。星の風邪?って感じでしょうか。笑
ただ、このブログでは便宜上「1回目の星の病」として呼称させていただきます。
創星記は予言?
「邪悪なるもの 瘴気を招き 空を淀ませ 大地を蝕む 勇敢なる王と騎士 剣を携え 神とともに戦い 闇を振り払う」 この創星記原本の一節が、ノクトらの旅の予言ではないかという説がありますが、私はこれに否定的です。
「星の病」は六神の力ではもはや救うことが出来ないとシヴァの啓示で明言されているので、「神とともに戦い」の部分がノクトたちのケースとは異なります。(ノクトはクリスタルと歴代王の力で闇を払った)
また、旅の道中、イグニスが「過去のルシス王が闇を振り払った話」に言及しています。

予言じみた宗教画
「創星記」が予言であることを否定しましたが、ストーリーチュートリアルで提示される宗教画についてはある種の予言を感じます。
明らかに、神話の「闇を払った」の記述を意識した絵画ですが、周囲に歴代のルシス王たちがいることから、「いずれ来る災厄」である2回目の星の病を払っている様子だと思われます。
王の護衛が3名いることや、護衛の内1名が負傷しているように見えることが、ノクトたちの状況と酷似しています。

この化け物が絶命時に発する黒い物質が大気を覆い、次第に夜の時間が長くなっていった。(星の病)
夜の時間が長くなり世界が闇に包まれる現象と、シガイにははっきりとした因果関係があります。
10年後のハンマーヘッドにその研究資料があります。


なんとシガイを駆除すればするほど、絶命時に発する黒色粒子が大気中に留まり、次第にその量が増えて日が短くなるという悪循環が起こっていたわけです。

現に、ストーリーが進むほど日が出ている時間が短くなっていき、最終的には昼間がなくなってしまっています。
また、前述の通り、「2000年前の感染症による化け物」と「シガイ」は同一と考えられますので、この悪循環は2000年前にも起こっていたものと推察されます。
当時、剣を自在に操る優れた能力を持つ者(後のルシス王家)が闇と戦っていた
これは創星記 聖石の章から持ってきました。

「数多の剣を自在に操る」というのは武器召喚の能力と思われます。
武器召喚やシフトブレイクの力はクリスタルや六神に関わる以前から、もともとルシス王家に備わっていた力ということですね。

2000年前の誓約と啓示について
当時の神凪が誓約を行った。魔大戦後から眠っていた六神を呼び起こし、星の現状を伝え、救いを求めた。結果、人間は六神の啓示を受けることができ、共に闇と戦うことになった。
星の病だけではなく、神凪の誓約も、六神の啓示もノクト達の時代が史上初めてではありません。おそらく史上2回目です。それは「創星記解説 誓約・啓示」にも書かれています。



逆に言えば2000年で2回しか無かったんか…よくもまあ神凪のお仕事、ちゃんと勤まったなあという感じですが…。このあたりは「真の王」のところで詳しく考察予定。
また、チャプター4のタイトルは「神話の再来」ですが、これは「誓約→王が啓示を受ける、という流れが2回目であること」を表していると考えられます。

啓示を受けた後、六神が人間と共に戦ったという事実も創星記解説に記述されています。

聖石(クリスタル)と光耀の指輪の役割について
彼らは闇を払うことに成功し、六神は人間に聖石と光耀の指輪を授け、「来る災厄(アーデンのことを予言?)」に備えるよう言って眠りについた。
このとき授かった光耀の指輪はもっとも優れたものが持つにふさわしいとされ、かくして指輪は王の証となるに至った。(ルシス王家成立)
聖石・光耀の指輪がどんなものなのかが創星記で語られています。


物語冒頭のノクトとルナフレーナの回想シーンでもこの部分がわかりやすく話されています。

ざっくりまとめると以下のとおりです。
ノクトやレギスのご先祖様は優れた戦闘能力を持っていたため、六神から名指しでクリスタルを渡されました。このクリスタルは、「いつか厄災が訪れるとき、王を指名してその人に聖石の力を与える」ということで、その時が来るまでクリスタルを守りついでいくことになりました。
また、六神は人類に光耀の指輪を渡し、この中に魂を継いで力を蓄えるよう伝えました。人々は指輪の管理者として、優れた人物が持つのが良いだろうと判断し、ノクトのご先祖様たちがクリスタルと指輪を合わせて守り継いでいくことになりました。
ちなみに、創星記の表紙は剣神バハムート(か、サイズ感的にその使いの者)からルシス王っぽい人にクリスタルが渡されている場面が描かれています。

奥に立っている神凪はジールの花を持っていますね。
ジールの花はルナフレーナを象徴する花というイメージがあったのですが、そもそも神凪にルーツのある花のようですね。

ここまで分かると、FF15のストーリーもぐっと納得感を持って楽しむことができるのでは無いでしょうか!?
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