
逆転裁判6プレイ後の感想や考察です。全体の感想と第5話を中心にストーリーを振り返ります。
逆転裁判6 全体としての感想
まずは面白かった!と言いたい
大好きな「逆転裁判」シリーズ。
この記事を読んでいる方は逆転裁判シリーズを一通りプレイしている方が多いと思いますが、どのような感想をお持ちになったでしょうか。
ほぼ全てプレイ済みの1ファンとしては、主人公が変われどやっぱり面白い!の一言に尽きます。
その大前提のもとで、さらに言うと「キャラ一人一人の描写、キャラ間の交流がもっと見てみたい!」と感じました。
ありがちな感想ですけど、逆転裁判シリーズはメインキャラとヒロインだけでかなりの大所帯。別け隔てなく扱おうとするとどうしても一人あたりの描写は少なくなってしまうんです。
特にドゥルクとアマラ様の夫婦エピソードとか。なるほどくんと真宵ちゃんのやりとりとか見たかった。まあそれこそ同人作品で補完すればいいわけではありますが。
過去作のネタバレに対する姿勢が軟化?
今の所、逆転裁判は過去作のネタバレとなる描写を次回作に持ち込まない姿勢です。
しかし逆転裁判1-3のときと比べて、逆転裁判4以降は主人公自身の過去の暴露的なストーリーになってきていることから、若干無理が生じ始めています。
おどろきくんとみぬきちゃんが異父兄妹であること
その母親がラミロアさんであること
これらの事実に関しては逆転裁判5から「腫れ物」のようになって続編での取り扱いに困っているような感じが見て取れます。
そろそろ進展あっても良いのでは?と思いますが、新規プレイヤーへの配慮ということなのでしょうか。
しかしラストでラミロアさんと思われる人物とのかなり踏み込んだ描写が見られ嬉しかったです!今後の進展に期待がかかります。

思えば成歩堂さん自身のことって、登場回数の割にあまりわかっていないことが多いんですよね。あくまでストーリーテラー的な立ち位置に収まっています。
なので1-3ではネタバレになりそうなことも「前にちょっとね」戦法でうまくかわせていたのかもしれません。
とりあえず全員幸せになってほしい
逆転裁判シリーズのエンディングは、各登場人物のこれからを自身に語らせるのが定番です。
私はあの「これからも彼らの生活はそれぞれ続いていく」という感じが好きです。
そしてこれを見るといつも、何でも良いからとにかく全員健康で幸せに暮らしてほしいという気持ちになります。
これが巷でよく言われる「尊い」という気持ちでしょうか笑
かなり短いスパンで殺人事件に遭遇しなければならない「この世界の絶対的ルール」を思うと、なかなか難しい願いかもしれませんが…
こちらの記事に書ききれなかった、各キャラについての記事も読んでくださると嬉しいです。あわよくば逆裁6について語り合いましょう!
インガ大臣の視点から第5話を中心に振り返る
逆裁6の余韻に浸っていたとき、ふとある人物の行動の理由が気になってきました。
インガ大臣です。
第5話は様々なトリックにより、時系列がかなり分かりにくくされていました。
背後にはインガ大臣の暗躍があったはずなのですが、
本編では結局最後まであまり語られることはありませんでした。
そこで改めてインガ大臣の視点での考察を含めながら、第5話を中心とした今回のメインストーリーをなるべく時系列順に振り返ってみたいと思います。
※ゲーム内記述をすべて把握できているわけではないため、一部間違っている部分があるかもしれません。また、かなり推測が含まれています。

こんな考え方や解釈もあるのかという温かい目で見守りください。
本作の舞台
逆転裁判6は日本とクライン王国2つの国を舞台としています。メインどころのストーリーはクライン王国で展開されます。
真宵ちゃんや春美ちゃんが行う霊媒、倉院流霊媒道のふるさとがクライン王国です。真宵ちゃんは今回、家元となるための修行としてクライン王国を訪れていました。
ちなみに霊力自体は倉院の里の人達の方が強く、クライン王国では女王しか霊媒を行うことが出来ないといいます。
そして実はクライン王国はオドロキくんの故郷でもあります。父親が旅芸人をしていて世界を回っていましたが、旅先のクライン王国で不慮の事故に遭い亡くなってしまいます。そんなオドロキくんを引き取ったのがドゥルクでした。オドロキくんはドゥルクとその息子、ナユタとともに幼少時代を過ごします。
また、この「不慮の事故」では、クライン王国の前女王でありドゥルクの妻であるアマラも亡くなっていました。アマラは国民に大変慕われていた存在でした。
今の女王は妹のガランが勤めており、夫のインガ法務大臣とともに、政治を行っています。
ガランの娘のレイファは巫女として、女王になるべく日々霊媒をするための修行を積んでいます。裁判では死者が最期に見たものを映し出す「御霊の託宣」を行っています。
クライン王国では弁護士は犯罪者に与するものとして大変に嫌われており、ガランは、犯罪者が有罪になった場合弁護士も同罪という弁護罪というとんでも法を制定して国から弁護士を排除しようとしていました。
残り少ないクライン王国の弁護士は隠れて反撃の機会を伺っていました。彼らは革命派として組織を作り、ドゥルクをリーダーとしてひっそりと活動していました。
そしてナユタはクライン王国で検事として、オドロキくんの前に幾度となく立ちふさがります。当初は「クライン王国を内部から変える」という気持ちで検事になったそうですが…。
始祖の宝玉を手に入れ、佐奈樹氏に調査を依頼
第一話では、クライン王国のお宝であり、正しく使えば始祖様の絶大な霊力を得られるという代物、「始祖の宝玉」がかなり前から何者かによって持ち出されているということが発覚。
ジーイン寺院(名前…笑)の住職であるポットディーノ氏がインガ大臣に宝玉を渡したと推測される。
そしてインガ大臣は、賄賂もどんとこいな二世政治家 清木政治氏を経由して、考古学者の佐奈樹氏に宝玉の謎を解くよう依頼。
これが第5話の冒頭(オドロキくんとドゥルクの日本での再会)からどの程度遡るかは不明。
インガ大臣の目的は宝玉の謎を解き、絶大な霊力を得て王となること。(強い霊力を持ち、霊媒が行えることが王となる条件)
しかしクライン王国内で始祖の宝玉を調査するわけには行かないため、国外のツテを辿り日本の清木氏に接触、そしてそこから佐奈樹氏にたどり着いたと考えられる。
清木政治氏と佐奈樹氏との接点は語られず、なぜ佐奈樹氏にたどり着いたのかは不明。
佐奈樹氏は清木氏にメールで調査報告を行っている描写があり、佐奈樹氏とインガ大臣との間には直接の関係は無いと推測される。
革命派と清木氏両名が宝玉を奪い合う
ドゥルク率いる革命派が何らかの方法で宝玉の場所を突き止めた。
革命派メンバーのダッツは佐奈樹氏に対し、その宝玉が盗品であることの事情を説明した。そして宝玉の譲渡の約束を取り付ける。逆にそれを知った清木氏は革命派は悪の組織だということを説明し説得。
両者の板挟み状態になっていた佐奈樹氏は、宝玉を受け取りにやってきたダッツさんを追い返した。
佐奈樹氏の娘、グンソウさんの証言によれば、このタイミングで佐奈樹氏は「秘宝を燃やす」という、宝玉の秘密を解き明かすための行動に出ている。ダッツさんとの言い争いの末、なにか着想を得たのだろうか。
現場からその様子を覗いていた清木さんは、おそらく嬉々として佐奈樹氏の元を訪れたに違いない。「心変わりしてこちらに返してくれる気になったか」と。
しかし清木氏をも追い返したと推測される。結果的にこの行為が佐奈樹氏の運命を決定づけたのではないだろうか。
そして佐奈樹氏は宝玉を洞窟へと隠しに、重装備で出かける。
佐奈樹氏殺害事件発生・真宵ちゃん誘拐
本編では真宵ちゃんが誘拐されるタイミングは明記されておらず推測となるが、誘拐の目的を考えれば佐奈樹氏が殺害されるあたりであることがわかる。
「宝玉を返してもらえない様子だ、その後の動きからするとどうも奥地に隠しに出ていってしまったようだ。どうしたらよいか。」といったような具合で清木氏がインガ大臣へ報告をしたと思われる。
これがきっかけでインガ大臣は強硬策=誘拐に出たと思われる。
インガ大臣から清木氏に対する指示として推測されるのは以下のような内容。
『宝玉を探せ。そして佐奈樹氏を殺害して事故に見せかけるのだ。仮に奥地に隠したのが事実だとしたらそこは革命派にでも任せておけば良い。その時は佐奈樹氏殺害犯は革命派だということにすれば譲渡証明書(佐奈樹氏に危害を加え無い限り宝玉を譲る)の内容は無効になりこちらの権利が主張できる。真宵を人質にとるので、成歩堂という弁護士を顧問弁護士につけて裁判で戦え。』
指示に従って、清木氏がその場に置かれたダッツのスーツケースで佐奈樹氏を殺害し、事故に見せかけた事後工作を実施。

清木氏は「倉院の里に絶大な影響力を持つさるお方=インガ大臣」のために殺人までしてしまうなんて、とても選挙に勝つためだけとは思えません。弱みでも握られていたのでしょうか。
そしてたまたま「1年前に盗難届が出されているキョウコの水晶球」という全くの別物があったから権利を主張できたわけですが、インガ大臣がここまで見越して清木氏に声をかけていたとしたらすごすぎですよね。案外キョウコの水晶球を盗んだのはインガ大臣一派だったりして。
ドゥルク、インガ大臣に殺害される
革命派リーダー ドゥルクはどこからともなく真宵ちゃんが誘拐されていることを知り、霊廟に救出へ向かう。そこに居合わせたインガ大臣に銃殺される。
「キサマが生きていると色々と不都合なもんでね。」という発言のみでインガ大臣がドゥルクを殺害した動機があまりはっきりとしていないが、
始祖の宝玉を手に入れてクーデターを起こしたあと、王となってアマラ前女王を后とし、国民の強固な信頼を得るつもりだったと考えれば想像はつく。
黄金像の金庫の中に、レイファ様からの手紙とともに、アマラ前女王の写真が入っていた。
レイファ様の手紙はさておき、アマラ様の写真を保管しておく必要は無い。今後生かしておくにあたってアマラ様の風貌を覚えておくためと思われる。
ドゥルクは革命派リーダーとして殺されたのではなく、どちらかというとアマラ前女王の夫として殺害されたのだと推測される。

インガ大臣にとってレイファ様は「邪魔なドゥルクの実子」だったと思いますが、手紙をとっておくあたり、複雑な心境だったように思います…。
「親の罪は子の罪」という思想が根深いことを考えると、クーデター後はレイファ様の立場が無くなってしまうことになりますが、一体どう考えていたのでしょう…。
実際にはかなり終盤にこの事実が明らかになります。
真宵ちゃんが法廷でドゥルクがすでに亡くなっているという事実を告げるのですが、その際に流れるこのシーンは何度見ても心に来るものがあります。
ドゥルクは真宵ちゃんに最期の願いとして、「日本にいるホースケに会いたい」と伝えるのです。
真宵ちゃんがドゥルクを霊媒、日本へ向かう
ここが第五話冒頭の部分。事務所でのんびりしているオドロキくんとみぬきちゃんの目の前に、豪快に笑いながらドゥルクが現れます。
来日の理由は、「始祖の宝玉探し」を依頼するためとオドロキくんに伝えます。本当のことは伝えずに。
育ての親ドゥルクとオドロキくんの久しぶりの再会。
この時点ですでに亡くなっているなんて悲しすぎる…。
始祖の宝玉が革命派の手に
そしてドゥルクとオドロキくんの決死の洞窟探検によって始祖の宝玉が見つかった。
何者かが二人を押して、深い洞窟の中に落としてしまったのだが、これは清木氏のしわざだったという描写があるため、「始祖の宝玉を洞窟に隠している」というのは清木氏にとってほとんど確信に近かったのだろう。
インガ大臣の指示通り、清木氏はキョウコの水晶球もとい始祖の宝玉を「水晶球は倉院の里に絶大な影響力を持つさるお方にお渡しするのだ」と発言し権利を主張。

はじめは「さるお方」ってキミ子さんのことかと思ってました。またお前かと。
さるお方=インガ大臣はここまでくれば自明ですが、実際のところインガ大臣は王ではないし霊力もないので、「倉院流霊媒道の元となる国の女王の夫」「未来のクライン王国の王」という肩書を振りかざしているだけだとするとちょっと小物感でちゃいますね。
始祖の宝玉をめぐる民事裁判
始祖の宝玉の所有権を巡った民事裁判が行われた。
宝玉の所有権が革命派にあること、佐奈樹氏が清木氏によって殺害されたこと、始祖の宝玉の謎が明らかになった。
始祖の宝玉の謎
始祖の宝玉によって霊力を得るためには、始祖を霊媒する必要がある。宝玉は、霊媒に必要なキーである始祖様の顔を見るためのものであった。(もう一つのキーである名前は代々女王に口伝されているとか。)
そして清木氏によって誘拐されていたと思われていた真宵ちゃんが裁判が終わったにも関わらず、未だクライン王国で誘拐されていることがセンセーショナルに明かされる。時系列をわかりにくくするトリックの1つ。
ドゥルクは真宵ちゃんとの接点はないが、彼女の外見的特徴を知って自分がなぜ今ここにいるのかを理解した。

「マヨイは無事だ。絶対に安全な場所にいる。」
「お前(インガ大臣)にマヨイをどうこうできるはずがないだろ?」
という匂わせ発言から、察しの良すぎる人は勘付いたかもしれません。
オドロキくんさながら、まさに「自分の推理が間違っていてほしい…」という状態です。
人質交換のためクライン王国へ
まさかの死んだはずのドゥルクとの再会にインガ大臣はうろたえるも、「貴様の大切な人も私の手の内にある」とさらなる脅しをかける。
「大切な人」とは妻であるアマラ様と実の子供たち(ナユタと、後に明らかになるレイファ様)のことと思われる。
実はアマラ様は不慮の事故(邸宅での火事)で亡くなってはおらず、ガラン女王による軟禁状態で日々を過ごしていた。ドゥルクもその事実は知っているが、妻と子供たちを人質に取られた状態になっており不用意に手出し出来ていなかった。
そしてまたアマラ様とナユタも、レイファ様の人生を台無しにはさせまいという一心からガラン女王の言いなりになっていた。(なおナユタはアマラ様が生きていることを知らなかった)
そして、インガ大臣は「秘宝を持って霊廟に来い、人質と交換だ。ドゥルク一人だけで来い」とドゥルクに指示する。
これを聞いた周囲の人々は「人質=真宵ちゃん」と思っているが、ドゥルクだけは「人質=アマラ様とナユタ(、レイファ様)」だと思っている構図が出来上がる。

ドゥルクはガラン女王に妻子を奪われて社会的に抹殺された挙げ句、インガ大臣にも妻子を利用されて本当に散々な目に遭っています。
それなのに決して折れず革命派リーダーとして反抗し続けるその異常なまでの精神の強さ、それが多くの人々を惹きつけたのかもしれません。
あの火事はドゥルクの人生を変えてしまった。けれどアマラ様、レイファ様、ナユタが今も生きている。そのことが希望となってドゥルクを突き動かしていたのでしょうか。
対象的な結果となってしまったのがオドロキくんです。
ダッツは「ドゥルクはいつもホースケのことを思っていた」と発言していました。ドゥルクは3人の家族という希望を胸に革命を推し進める裏で、家族がいなくなってしまったオドロキくんのことを「考えざるを得なかった」事実は否定できないでしょう。
インガ大臣が殺害される
指定時刻の少し前、午後2時頃に霊媒の儀式をアマラ様がガラン女王の格好をして代理で行っている。
ガラン女王は事前に霊廟の棺に眠っているドゥルクから服を剥ぎ取り身につけていた。
そしてインガ大臣が棺の近くに来たタイミングで殺害。
御霊の託宣で最後に写っていた顔なしドゥルクとはガラン女王だった。黒髪ロングヘアーのため、相貌失認(顔が認識できない症状のこと)を利用して法廷を欺くことができたわけだ。
その後ガランは元の服装に戻り、霊廟をあとにしたところをレイファ様に目撃されている。
人質交換の約束の時刻前、レイファの従者であるバアヤ(本当は霊媒を終えた後のアマラ様)がインガ大臣を霊媒して、堂々と霊廟に侵入。
レイファは約束の時間の直前、慌てて約束の霊廟へ向かう姿を目撃していたが、これはバアヤが霊媒したものであった。
その直後霊媒を解いてインガ大臣殺害の事後工作が行われる。
死体から凶器を抜き取り、蝶のロケットの血痕はその際に付着したものと思われるが、その後どういった経緯で現場に残ってしまったのかは不明。
そしてアマラ様はドゥルクの服を脱がし、身につけた。霊廟に入る際アマラ様が身につけていたインガ大臣の服は棺に隠されたものと思われる。
約束の時刻となったためドゥルクは霊廟へ向かう。
ドゥルクは「霊廟に入った瞬間に意識が飛んだ」と発言していたが、このときアマラ様の手によって除霊の勾玉が使われ真宵ちゃんは改めて人質となった。
凶器を手にとった状態でインガ大臣の死体の近くに立ちドゥルクを霊媒。
これで「霊廟に入った瞬間に意識が飛んだが、意識が戻ったときには死体の前に立っていた」という状況が生まれる。
時間が経過しガラン親衛隊が突入して事件が発覚する。以降アマラ様はドゥルクを霊媒し続けることになる。
真宵ちゃんが長時間の霊媒によって意識を失ったあと、ドゥルクが被告人となっていることに心底驚いている様子だったのはこのため。
大臣殺害の裁判とドゥルク逃亡の謎
以降、ゲーム中ではオドロキくんの手によって上記の事実が暴かれていくこととなる。
そして極めつけに、オドロキくんが父親を亡くすこととなった「不慮の事故」がガラン女王によるものだったこともオドロキくんの父親の御霊の託宣によって明らかになったのだ。
ほんと諸悪の根源。
さて、話が少し戻るが、審理の途中被告人ドゥルクが法廷から逃亡するハプニングが起こった。奇しくもそれをきっかけにドゥルクが随分前に亡くなっていたということが明らかになったわけである。
なぜ、ドゥルクは法廷から逃げようとしたのだろうか。
「アマラの身を危険にさらすわけにはいかん。逃さなければ、マズイことになるかもしれない」と言い残し法廷から姿を消した。それ以降ドゥルクは一切出てこなかった。
この発言から考えるに、ガランがすべての罪をアマラ様になすりつけようとしていること、アマラ様はレイファ様のためにそれを受け入れようとしていることに勘付いたのだろう。
御魂の託宣では実際の犯行時刻が午後2時であることがわかり、犯行時刻をずらすために「御霊の託宣に詳しく、大臣の相貌失認の体質を知っていること」が犯人の条件として浮上した。
しかし午後2時半に大臣の私室から霊廟に入る大臣の姿が目撃されていることから、上記の条件にプラスして「霊媒のできる人物」という条件も加わる。
そこから遅かれ早かれ、アマラ様に疑いがかかることをドゥルクは勘付き、そして自分を今霊媒しているのがアマラ様ということも消去法でわかりきっていたはず。
だからこそ自分がどこか遠くに逃げれば、「アマラ様が罪をかぶる」という最悪のケースは免れる。
普通に考えればそうなるのだが、その後結局バアヤ(アマラ様)は控室にいたわけなのでどこか腑に落ちない。
そして被告人の逃亡は、オドロキくんの弁護を信じていないということにもなってしまう。現にオドロキくんもそう感じている描写があった。
ここで一つ考えられるのは、ドゥルクの真意は発言とは真逆だったという推測だ。
つまり、ドゥルクにとって一番の望みは「ガランに罪を認めさせること」であり、そのためにはアマラ様の証言が必須だから、自分は何らかの演出を使ってでも、アマラ様の体から出ていかないといけなかったがゆえの逃亡演出ということだ。
そしてドゥルクは法廷前に「受け入れがたい真実」があることについてオドロキくんに伝えていた。法廷できっとこの真実が明かされるだろう、と。
この発言はオドロキくんのことを信じていた紛れもない証拠である。
その後ドゥルクが出てくることはないためプレイヤーの解釈に委ねられているところだが、自分はきっとそうだと信じたい。
あの逃亡演出はドゥルクからオドロキくんに手渡されたバトンだったのだと。
そしてオドロキくんはそのバトンをしっかりと受け取ることができたのだと。
最後に
今回の逆転裁判は霊媒の国を舞台にしたストーリーだったため、いつも以上に霊媒が多用されていました。
霊媒は姿形が本人になり、一見犯行に利用しやすい性質がありますが、
「霊媒された人物の服をどこから調達するのか」
「霊媒を解除した際に残った服をどうするのか」
「もともと着ていた服をどこから用意するのか」
という点が密室殺人においては扱いにくいポイントだったと思いますし、今後霊媒を利用したトリックが出てくる場合はそこに注意して見てみたいと思います。
本作では現に、アマラ様がインガ大臣を霊媒して霊廟へ向かったあと、インガ大臣の服がどこへ行ってしまったのかに説明がついていない気がします。
香炉の灰の中にすすのついたボタンが残っていたので、燃やしてしまったのでしょうか。どなたかそういった記述がある箇所をご存知でしたら教えて下さい!
とても長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!
次は大逆転裁判2をプレイ予定なので、そちらについても何かしらかけたら良いなと思います。
コメント