
風ノ旅ビトの考察・解説記事第2弾です。
考察記事第1弾では、ストーリー全体に関しての考察を書いています。先にこちらをご覧いただけると、本記事をよりお楽しみいただけます。
ネタバレ無しの紹介記事は以下をご覧ください。元々サントラ情報用に書いた記事ですが、概要とちょっとした感想も書いています。
登場人物+前回の記事の振り返り
さて、赤ビト・白ビトの正体に迫るための考察には以下の人たちが登場します。(前回は独自名を使ったのですが、今回は一般的な呼称をできるだけ使っていきたいと思います)

操作キャラクター。「エネルギー還元プログラム(前回の記事参照)」の遂行に欠かせない存在。身軽で、布の力を借りながら空を飛ぶことができる。白ビトの導きに素直に応じ、彼らは今日も山へと向かう。

小さな布から光るエネルギーを抽出する技術を開発。一大文明を築いたが、原料の枯渇により後に戦争が起きて文明も衰退した。
各地に置かれた投影機のようなものから、赤ビトを山頂へといざないプログラムを効率的に進めようとする。赤ビトよりも体が大きく、空を自在に飛ぶことは出来ない。

赤ビトの目的地であり出発地。白ビトが見せる映像によれば、すべての生命の生みの親。山頂付近は常に吹雪になっており、過酷な環境となっている。
赤ビトを流星に変える力があり、プログラム内で最も重要なプロセスを担う存在。
風ノ旅ビトの壁画 一覧
検索しても意外と見つからなかったので、ここに載せておきます。
個々の壁画の行き方はこちらに載せておりません。他の攻略サイトを参照ください。なお、壁画についてはこのあとの考察で少し触れます。
1枚目の壁画@遺跡

ゲームスタート地点直後にあった石碑?がお墓であることが示唆されます。

ただ、この地点は風化が進みすぎて元々何があったのか判別が難しく、彼らが亡くなった原因は推測出来ません。(老衰?戦争?)
2枚目の壁画@橋

建物が立ち並び、砂のようなもので覆われています。一部朽ち果てている箇所が見受けられます。
白ビトの文明が衰退している様子を描いたものでしょうか。
3枚目の壁画@砂漠

自然であふれる様子が描かれています。中央に白ビトが並んでいます。
白ビトが誕生した直後の様子でしょうか。
4枚目の壁画@砂漠

白ビトが「乗り物(後に兵器化)」に乗り始めます。おそらく自然にあったものではないので、当時すでにこのようなものづくりの技術はあったのですね。

鳥たちや植物たちがともに描かれているところから考えて、布生物を光に変える技術開発の前の段階と思われます。
映像ではこの時点ですでに小さい布と出会っているので、単純に乗り物の中に布を入れて浮かせていたのではないかと思います。
5枚目の壁画@下り道

小さい布を光に変える技術を開発した頃の様子と思われます。
6枚目の壁画@下り道

白ビトたちが仲違いを起こした様子です。映像では小さい布の枯渇によって仲違いしたように見せていますが、壁画ではその様子は書かれていません。
7枚目の壁画@地下道

兵器を大量に生産している様子です。
8枚目の壁画@寺院

この壁画は映像にはなく、他の壁画との連続性も見いだせないのでどのように解釈したらよいか難しいです。「始祖」が亡くなった様子を描いているものというのが通説です。
「始祖」とは、投影機の前まで行ける状態になったあとで寺院の最下部に現れる謎の生命体です。

もはや見た目は白ビトではないのですが、こちらの呼びかけに応えてくれます。会話(?)が成立すると、「始祖」というトロフィーが手に入ります。
壁画との関連があるとしたら、ゲーム内で唯一の「交流できる(元)白ビト」です。

わざわざ壁画になっているくらいなので、『始祖の死』は何か大きな出来事のきっかけになったはずですが、情報が少なすぎて推測不可能です。
9枚目の壁画@雪山

戦争の真っ只中の様子です。7-9枚目に連続性があるのだとすると、「布の枯渇により高まっていた緊張状態が、始祖の死亡をきっかけにして戦争に繋がった」とも考えられそうですね。
無論、連続性の根拠は無いので「そうかもしれない」レベルの話ですが。
なお、壁画がある場所は、壁画の内容の「現場」になっていることが多いようなので、激しい戦闘が起こった場所は雪山近辺ということになりますね。これは映像とはやや違いが見られるようです。


ただ実際のところ、雪山とそれ以外のステージってそんなに離れてないかもしれませんよね。
私、地理的な観点での考察が苦手でして…。
それぞれのステージの位置関係がわかれば断定できそうですが、分かるのは映像による直線的な位置関係(真実かどうか怪しい)だけです。
確実に言えることとしては、今も雪山のふもと~中腹では、多数のガーディアンが主不在のまま飛び回っており、戦争時代の遺物となっています。
10枚目の壁画@雪山

最後の壁画です。白ビトたちが大勢で山頂を目指している様子と考えられます。
この部分は一切映像には出てきません。今回の考察はこの壁画を中心に展開していきます。
白ビトの歴史を知る方法が2種類あることについて
さて、まずは本題に入る前の前提的なところからです。
赤ビト、もといプレイヤーである我々が、白ビトたちの歴史を知る方法は主に2つあります。
一つは「白ビトの投影機から見られる映像(?)」

そしてもう一つは各地に点々とある「壁画」です。

情報の入手方法が2種類に分けられている理由はおそらく、そもそものターゲットが異なるからでしょう。
壁画は、崩れかけた建物にあったり、ひっそりと隠れるような場所にあったり、プレイヤーが頑張って探さないと見つからないような場所にあります。
つまり、本来壁画は赤ビトの為に用意されたものではない可能性が高いです。
観光地にある「記念碑」「石碑」のようなものに近いのではないでしょうか。白ビトたちが、後の世を生きる白ビトに歴史を伝えるために作ったのではと考えています。
一方で、投影機によって見せられる映像は、第1弾考察記事に基づくと、エネルギー還元プログラム遂行の為に作られた映像です。ですから、その内容が史実に基づいたものとは限りません。
ここで気になるのが、壁画と映像それぞれで表現されている「白ビトの最後(最期)」です。
映像では白ビトの文明は崩壊し、絶滅してしまったようにも見えます。

一方、壁画の最後の一枚は「大勢の白ビトが山を登る様子」で終わっています。


なお壁画の時系列は、旅をする流れで見られる順番と(ほぼ)一致しているものとして考えます。
※1枚目、2枚目は時系列とは外れているようですが…、ここでは一旦置いておきます
もしこの壁画の後すぐに白ビトが絶滅してしまったのであれば、壁画の作り手がいないのだからそれ以降の壁画が無いのも当然です。
しかし、映像内ではしっかりと「絶滅した様子」が描かれています。例えるなら、自叙伝で自分の最期を書くみたいな感じでしょうか。「いや、死んどらんやんけ!」というツッコミが入るわけですね。
よって少なくとも、壁画に描かれている「登山」のタイミングから、映像が作られるまでの間は白ビトは絶滅していないことになりますね。

白ビトは実体が無くても物を作れるとか、そもそも白ビトはもともと思念体だとかいう考え方もできるのですが、この考察では「白ビトは実体として存在し、人間と同じように生死の概念がある」という前提とさせてくださいw
ここで一つ大きな疑問が湧きます。「登山したあとから還元プログラムが始まるまでの間に一体何があったのか?」ということです。

白ビトたちが登山をした後から、還元プログラムを促進する映像を作るに至るまでには、何か大事なきっかけがあるはずですよね。
そしてこの「きっかけ」に「赤ビトの正体」の秘密も隠されていると考えています。
赤ビトの正体は?エンディング前の「6人の白ビト」の正体は?
さて、赤ビトの正体ですが、結論から言うと「山が生み出した、この世界の自浄作用的存在」と考えています。
「赤ビトが自浄作用的存在」である点に関しては、前回の記事でお伝えしているとおりです。

簡単にまとめると、「赤ビトが使用済みエネルギーを身体に吸収して山に持っていくと、エネルギーの原料である小さい布に戻る」ということです。

植物が二酸化炭素を吸収して酸素に変える、光合成にも少し近いでしょうか。
続いて、「山が生み出した、」の部分です。どういった経緯で赤ビトが生まれたのか?について触れたいと思います。
鍵となるのはやはり、雪山にある壁画と雪山ステージ自体です。いくつか気になるポイントをピックアップします。

前述の通り、戦争をしている様子が雪山の壁画に描かれていることから、この地で激しい戦闘が行われていたようです。
実際に山を登ると、多くの建物が立ちガーディアンがうようよしているのもその裏付けになりそうです。

さらに歩みを進め、山頂付近になるとまた景色が変わります。建物やガーディアンはほとんどありません。が、お墓(と思われるもの)が点々と立っています。多くの白ビトたちが登山に失敗して命を落としたのでしょうか。

そして極めつけに、山頂間近の演出です。あまりの猛吹雪に耐えかね、赤ビトがダウンしてしまうとどこからともなく「6人の白ビト(実体かは不明)」が現れます。

その直後、何らかの力が働いて、赤ビトにもうひと踏ん張りするパワーが湧いてきます。
以上の点から、登山~還元プログラム開始までのストーリーを次のように考えました。
戦争状態が長く続き、白ビトは明らかに疲弊していました。
一部の白ビトが布枯渇問題を解決すべく立ち上がり、母なる山との対話を試みます。
多数の白ビトが登山に臨みました。しかし山頂付近は特に過酷な環境であり、多くの白ビトたちが犠牲になりました。
最終的に山頂にたどり着き、直接山と対話したのは「6人の白ビト」でした。(実際はもうひとりいたかもしれない?※詳しくは次章)
布の枯渇問題を聞いた母なる山は、使ったエネルギーを山へ持ち帰らせる存在として「赤ビト」を生みます。そして白ビトたちに対して、その旅路を支援するように伝えたのでした。
かくして6人(または7人)の白ビトたちは赤ビトの旅路を支援すべくプログラムの設計を始めます。
ところで、この記事を書きながら気づいたのですが、「6人」という数は「稼働している投影機の数」と一致しています。

このことに気づくまでは、映像内で出ている白ビトは同じ人だと思っていたのですがちょっと考えが変わりました。
映像内の白ビトは皆同じ姿で区別がつかないので断言は出来ませんが、各地の映像内で出会ってきた白ビトが最後、赤ビトのピンチを知り集まってきた…という演出なのでは?とふと思いつきました。

自分の想像力が恐ろしい
白ビトの正体は?白ビトって実は生きてる?
白ビトについてはその正体についての情報は少なく解釈が難しいところです。どうとでも取れそう。
「技術開発できるくらい賢い」「空を飛べない」「資源を枯渇させるという過ちを犯す」というポイントを加味すると、「人類」に限りなく近い存在なのかなと考えています。
赤ビトと違って、その誕生については謎が多く推測のしようもないので一旦ここまでにします。

ちなみに逆に赤ビトは「無垢」「素直」「自然」を体現したような存在でしょうか。
白ビト関連でもう一つお話したいのが「白ビトは実は絶滅していないのでは?」について。
雪山に突如現れた6人の白ビト、この数は「稼働している投影機の数」と一致しているという話をしましたが、投影機は実はもう1つあります。

これはゲーム冒頭、最初の光るシンボルを取得するところです。
最初は気づかなかったのですが、これは壊れてしまった投影機のようです。ですから当初は7台の投影機があったようですね。
投影機の数と山頂に現れる白ビトの人数に関連性があるのだとすると、「最初の投影機が崩れてしまったから、山頂に現れる白ビトの人数も1人減ってしまった」と考えても矛盾はありません。

崩れたら山頂では現れなくなるなんて、まるで、ここまで見てきた映像の中の白ビトたちが今も生きているかのように感じませんか?
無論、山頂で現れる6人の白ビトたちも映像の一部で、単に機械が壊れたから1人映らなくなっただけかもしれませんし、絶滅説を否定することはできないんですがね。
もうひとつ余談です。光るシンボルをすべて集めると「超越」というトロフィーが手に入り、さらに赤ビトが白い衣装を身に纏えるようになります。

その姿は白ビトさながらですが、白ビトそのものになるわけではありません。そこに何か意味があるように感じます。
光るシンボルを集めるには、赤ビトの空を自在に飛び回る能力と、白ビトのような知力が必要です。
すべてのシンボルを集めたとき、赤ビトは、赤ビト自身を、そして白ビトをも「超越」した存在になる→ 赤ビトでも白ビトでも無い見た目になる…ということかな?と考えました。
最後に
改めて「風ノ旅ビト」は、懐が深いゲームですね…。傷ついた心を優しく包んでくれるし、知的好奇心を刺激してもくれる。
まだまだ自分の中で噛み砕けていない部分も結構あるのですが、何も全てを理解しようとする必要はないと思っています。
風ノ旅ビトは、その人が感じとったストーリーが全て本当のストーリーです。
何か他の事に当てはめて考えることもできるでしょう。プレイヤーが置かれている状況や心情なんかでまったく別のものが見えることもあると思います。
また、現実で辛いことがあったらやろうっと。
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