大逆転裁判2 重厚なストーリー振り返り+考察 その2(ネタバレ注意)

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ゲームゲーム感想・考察

既プレイ者向け記事です。ストーリーが壮大すぎた大逆転裁判2を感想や考察も時折交えながら振り返ります。
こちらは後編(第4-5話)です。

大逆転裁判1をプレイしている前提でのストーリー振り返りとなります。
また、一部に逆転裁判シリーズのネタバレを含みます。
シリーズ未プレイで今後プレイ予定のある方はご覧にならないほうが良いかもしれません。
ネタバレ無しの記事は以下を御覧ください。

第1-3話の振り返りはこちらを御覧ください。

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第4話 ねじれた男と最後の挨拶

第4話で明らかになることは以下のとおりです。
いろいろなことが明らかになりすぎてまとめきれませんが、ここあたりからホームズさんがマジモードになってきます笑

・グレグソン刑事が何者かによって拳銃で殺害された。直前に現場を訪れたバンジークス卿が起訴された。死亡推定時刻は偽装工作の形跡があるが、ヴォルテックス卿によって記載を止められていた

・「死神」とは組織であり、グレグソン刑事がブレイン役、アン・サッシャー(ジェゼール・ブレット)が実行犯として所属している。

・プロフェッサーの最後の犯行後、バンジークス卿と玄真が野盗に襲われた。玄真は左手から血を流していた

・ミコトバ教授からこの法廷に決着がついたら、日本に帰って「本物の弁護士」として尽力してほしいとお願いされた。

・アソウギは「プロフェッサー事件の真実を明らかにし、父の無実を証明する」という使命を持って英国留学に臨んだ。

・プロフェッサーの処刑の背後には、「処刑を利用した大規模な脱獄計画」が実行されていた。当時の監守ミテルモン氏は何も知らなかったにも関わらず、その脱獄の責任を負って懲戒免職処分となった。

・玄真はミテルモン氏に対し「人の命を奪った罪人であること」を認めている。また、独房に「遺書」を持ち込んでいたが、その後行方がわからなくなっている

・クリムト・バンジークスの司法解剖で犯人を決定づける証拠が見つかった。実際に執刀したのはジョン・H・ワトソン医学博士。第一助手はミコトバ教授だった。

・ホームズの相棒の正体はクリムトの司法解剖の第一助手、つまりミコトバ教授だった。しかし、ミコトバ教授はアイリスちゃんのパパではない

第4話からはストーリーの節々に重要な情報や印象的なシーンが散らばりすぎてほとんどカットできる場所がないので、順を追って書いていきたいと思います。

ジゴク判事とミコトバ教授の英国入り

国際科学捜査大討論会のために、日本からは法務大臣であるジゴク判事と、その付添としてミコトバ教授が渡英。

アソウギの近況について伝えると驚いた様子。ヴォルテックス卿から特に報告は入っていなかったようです。

また、ミコトバ教授から「これからも、スサトの面倒を見てやってくれませんか。」という意味深なお願いをされます。
それに対して成歩堂さんは、「そんな!お世話になってるのは僕の方で・・・」と、意味をわかっているのか分かっていないのかよく分からない反応をします。笑

スサトさんのお世話になりっぱなしというのは間違いないですね。

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赤毛連盟とグレグソンの死の知らせ

ミコトバ教授の出迎えから事務所に戻ると、ホームズの髪が眩しいくらいに真っ赤になっています。

このゲームはホームズさんでちょっと遊び過ぎでは?と思います。笑
大逆転裁判2になって表現がより多彩に、より活発にふざけるようになって大変楽しませてもらいました。

「選考に選ばれると、赤毛連盟メンバーとして毎月不労所得が得られる」という眉唾もののに申し込んだのだとか。
お家賃の支払いがなかなか苦しいようですが、普段の探偵業ではお金を頂いていないのでしょうか?笑

そんな中、グレグソン刑事の訃報が飛び込んできます。ロンドンの外れの貸し部屋で、拳銃で打たれて亡くなっていたそうです。

しかも被疑者としてバンジークス卿が捕まったという驚きの事態。
 
それに対してホームズは、「本当に、気の毒だった。申し訳ない・・・ミス・レストレード。」と発言します。
なんでホームズが謝るのよ」という至極真っ当な反応。プレイヤーも同じことを思っていたはずです。

これは、ジーナちゃんが刑事見習いとして働けるようにグレグソン刑事に働きかけたのはホームズであり、そしてグレグソン刑事の身に危険が迫っていることを察知していたのもホームズさんだったからです。

しかし、結局その危険を回避することは出来ませんでした。
「大探偵が、聞いて呆れる!僕がいながら・・・グレグソン!・・・グレグソン・・・」
と、珍しく悔しさをはっきりと滲ませました。

バンジークス卿の弁護を引き受けたい

あのバンジークス卿が殺人をするわけがないのだから、弁護を依頼してもらおうと成歩堂さんは留置所に向かいます。
予想通り、結果はNO。しかしその否定の言葉に、いつもの冷たさは有りませんでした。

ともあれ、私はこれで失礼する。・・・貴公のジャマはしたくない。
・・・もう2度と、ここへ来ないでもらえるとありがたい。
そのほうが・・・お互い時間を有効に使えるだろう。

大逆転裁判2 第4話 バンジークス卿の台詞

どこか突き放し切れない、そういう優しさを持ち出すほどの関係になったんだなと思うと感慨深いものがあります。

その後、アソウギからの後押しもあり、バンジークス卿の説得に成功します。
この時初めて、バンジークス卿は成歩堂さんのことをミスター・ナルホドーと呼びます。

裏切りによって心を深く痛めたバンジークス卿は、長い間、何者をも信じないで生きてきました。
しかし、法廷で言葉を交わすうちに成歩堂さんを徐々に認めざるを得なかったようです。
 
この積み重ねが、バンジークス卿の「人を再び信じる覚悟」へと繋がりました。
 
驚いたことに、ここまでの心の動きが、バンジークス卿本人の口から丁寧に語られます

私は、英国の司法、警察も検事も、弁護士も信用しない。
しかし・・・もちろん。その中には信頼に値するものもある。
互いに法廷に立ち、向き合えば分かる。打算なく、真実を求めるものの目だ。

1年前。私は貴公と出会い、大法廷で幾千の言葉を戦わせてきた。
そのうちに・・・認めまいとしても、認めざるを得なくなっていった。

この、憎むべき日本人は・・・信頼に値する弁護士だと。

(一部省略)
ミスター・ナルホドー。今一度。貴公のその目を・・・私は、信じてみたい。
明日の裁判。我が弁護を、願えるだろうか。

大逆転裁判2 第4話 バンジークス卿の台詞


この場面にボイスは無くテキストだけではあるのですが、バンジークス卿がとても慎重に言葉を選んで、成歩堂さんに話している様子がありありと伝わってきます。

長い間固く封印してきた、「人を信用する」という生来の気持ちとまた向き合うことになる戸惑い、葛藤、喜び、いろいろな感情が読み取れる、大変に味わい深い場面でした。

それにしても、結構赤裸々トークだと思うのですが、照れ隠しも無く最後まで言ってのけるなんて、素のバンジークス卿は案外叙情的なコミュニケーションを取る人物なのかもしれませんね。

裏で何やら動いているホームズさん

第4話冒頭あたりからほとんど出てこなくなり、何やら裏でもぞもぞと動いている様子のホームズさん。
開廷前の控室にふらりと姿を現すと、バンジークス卿に意味深な発言をします。

君のやり方には、賛成できない点もあるのだが・・・少なくとも1つ、認めていることがあるのだよ。弁護士を選ぶ目さ。

・・・何しろ。その弁護士の後ろには、この僕がいるのだからね。「覚悟」を決めろ、ってことだよ・・・死神君。

大逆転裁判2 第4話 シャーロック・ホームズの発言

後半のホームズさんは意味深発言が多すぎて、正直あんまりついていけませんでしたね。笑

最終的には、ホームズさんがウルトラCを決めて逆転満塁サヨナラホームランするわけなので、「この僕がいる」発言はまあ間違いは無いのですが。

覚悟を決めろ」…これも味のある発言ですねー
先程、バンジークス卿は「人を信じる覚悟」を決めたばかりですが、多分その覚悟とは全く別の覚悟を決めなければならないようです。
 
それは恐らく、バンジークス卿の心の奥底でくすぶっている疑念や、プロフェッサー事件の真実と向き合う覚悟でしょう。
ホームズさん的には、「バンジークス卿、本当は正体分かってるんじゃないかな?」という気持ちなのだと思います。

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アソウギ「検事」のこの法廷に賭ける思い

この事件の担当は予想通りアソウギ検事となりました。

胸元にひらひらのスカーフ?を付けている格好や、「検察側…もとより。」という発言は、どこか狩魔の系譜を彷彿とさせます。
亜双義・狩魔・御剣という流れをしっかりと感じる、ファンとしては嬉しい演出です。

検事として法廷に立つアソウギは今までのアソウギとはどこか違っていました。
 
バンジークス卿の冷静な証言に対し、「まるで筋の通らぬ戯言です。」と言ってみたり、
法廷でのアソウギの発言はかなり前のめりで攻撃的な姿勢。
再会からゆっくり話ができていないこともあり、その変化に成歩堂さんたちは戸惑います。

法廷1日目は目撃者や赤毛連盟の証言から、現場となった貸し部屋の正体が明らかになりました。
目撃者のうちの一人、「ゴシップ」さんが借りている部屋でした。
そしてゴシップさんの正体は、バークリー刑務所の元監守長、エブリデイ・ミテルモンさんであることが判明します。

ミテルモンさんはプロフェッサーの死刑執行時の監守長であり、今回の事件とプロフェッサー事件を繋ぐ重要な人物
しかし当時の記憶には無意識に蓋をしてしまい思い出せない様子でした。
なんとしてもプロフェッサー事件を引き合いに出したいアソウギは、当時の記憶を強い姿勢で無理やりに引きずり出そうとします。
結局、ミテルモン氏が気絶してしまい、審理は中断となります。

そこでやっと、成歩堂さんはアソウギの執念の深さに気が付き始めます。
 
あいつの「覚悟」・・・何を犠牲にしても、あいつは真実に食らいつく気なんだ・・・!と。
 
その執念をどう受け止めてこの法廷に臨むか、この時点で成歩堂さんはまだ決めかねている様子でした。

死神の正体とバンジークス卿の「物語」

法廷1日目が終了後、留置所でバンジークス卿から死神の正体について聞くことができました。
 
死神とは倫敦警視庁の組織であり、グレグソン刑事は組織の頭脳として位置していたという事実です。
そして実行犯の名前は「アン・サッシャー」。あのジェゼール・ブレットの本名です。

そして、バンジークス卿は法廷でのアソウギの戦いっぷりに玄真の姿を重ねていました。
おもむろに玄真とのエピソードを語り始めます。
プロフェッサーの最後の犯行、つまりクリムト・バンジークスの殺害が世間を騒がせていた頃、玄真とバンジークス卿は何者かの襲撃に遭います

「・・・君を死なせたとあっては、クリムトに合わせる顔が無いな・・・」
と耳元で玄真が低く囁いた瞬間、銃声が鳴り響き、気がついたときには、玄真が左手から血を流して、レンガの歩道に倒れていたと言います。

クリムト・バンジークスを殺害したのが玄真であると考えると、この囁きは非常に意味深だと思うのですが、バンジークス卿はそれについて深く考えなかったのでしょうか…。

当時、兄のクリムトは主席検事としてロンドンの悪党から襲われることが有り、その弟も狙われることがあったといいます。
しかし実際にはこの襲撃ははじめから玄真が標的だったことが第5話で明らかになります。

ミコトバ教授からのお願い

ここでミコトバ教授から、エンディングにつながる重要なお願いをされます。
最後の判決が下ったら、ミコトバ教授と一緒に大日本帝国に帰ってほしいというお願いです。

我が国の大審院には、本物の弁護士が必要なのですよ。それも、なるべく早く・・・いや。今、すぐにでも。
君は、今。我が国の法廷に重要な人物なのです。

大逆転裁判2 第4話 御琴羽悠仁の発言

とかなり熱いトーンで成歩堂さんをスカウトしてきました。

これまでアソウギの意思(遺志?)を継いでがむしゃらに英国で弁護を学んできた成歩堂さん。
しかし当のアソウギは生きていたわけです。
自分自身、成歩堂龍ノ介としては何をなすべきなのかを全く考えてこなかったことに気づきます。
この場で回答は一旦保留としていますが、個人的には「まあ帰るだろうな」と思っていました笑

日本に帰るのか、帰らないのか?という2択に悩むのは逆転裁判6のオドロキ君と似たシチュエーションですね。最近の逆転裁判は国際的な感じ。

アソウギとガチ対談

アソウギに記憶が戻って以来、やっとゆっくりと話しが出来るタイミングが訪れます。

貴様と二人、英国の法廷を騒がせたら痛快だろうと思っていた。

大逆転裁判2 第4話 亜双義一真の台詞


 
今まさに、大英帝国の司法の行方を握る裁判に2人の日本人が臨んでいます。
 
当初の予定では恐らく、弁護側として2人で戦うことを考えていたのかもしれませんが、
アソウギとしては使命が果たされるならば「弁護士」の立場にこだわりは無いのでしょう。
今の状態を「運命の悪戯」と表現しました。

事件後記憶を失ってから英国に行き着くまでの経緯や、英国行きの決めた日の事についてアソウギの口から語られます。
そして、英国行きを決めた当時から、ジゴク判事が何か隠していると踏んでいることを告げます。

そして逆裁ファンとしては嬉しい、「狩魔」についてのエピソードもわずかに語られます。
武芸の家である亜双義家の象徴が名刀「狩魔」であり、父の弟子の中にその名をとって姓としたものもいるということです。
つまり、逆裁シリーズで成歩堂さんを苦しめる「狩魔家」のルーツがここにあるということですね。

狩魔・・・か。なんとも、手強そうだな。」という成歩堂さんの発言がまた、ファンをクスリとさせるニクい演出です。普通、刀の話で「手強い」という表現はしませんからね。

亜双義家と狩魔家は「検事」ではなく武芸での繋がりが先のようですが、結果として同じ検事の道を歩んでいます。
後にアソウギと狩魔家の人間に接点が生まれるのかもしれませんね。

アソウギは「バンジークス卿が死神であり、その事実をどんな手段を使っても立証する」という強気の立場を改めて表明します。

お前がバンジークス卿を恨む気持ちはもちろん分かる。
・・・でも、それは。今回の事件とは・・・

関係ない・・・か?なぜ、そんなことが言える?
あの男は死神だ。・・・刑事は、そのために殺された。
俺は、それを立証する。・・・どんな手段を使っても、な。

そうはさせない。アソウギ。

・・・貴様は、それでいい。

大逆転裁判2 第4話 成歩堂龍ノ介と亜双義一真の台詞

検事と弁護士が全力でぶつかって初めて、真実が顔を出す
逆転裁判シリーズで成歩堂龍一が幾度となく発してきたメッセージが浮かぶ場面です。
恐らく、2人はまだそのことを理解できていないと思いますが。

終始若干過熱気味のアソウギに対して、ちょっと引いたところから事件を眺めて審理を進めよう、という方針がまとまった場面なのではないでしょうか。

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ミテルモン氏の記憶と玄真の遺書

法廷1日目に意識を失ってしまったミテルモン氏。そのショックか、無事に当時の記憶が戻ってきたようです。

脱獄計画当日、遺体安置室にある棺桶は、いつもと違って蓋にすでに釘が打たれていたのだそうですが
特に気にもとめず確認書類にサインをしてしまったそうです。
このサインがされると後は誰も手を触れることが無いため、棺桶は警備上の盲点となっていたのです。

ただし、少なくとも監察医と刑務所内の誰かが手を貸さなければ実行は不可能でした。

監察医は勿論、コートニー・シスです。
刑務所側の人間は…十中八九バリケード所長でしょう。

また、ミテルモン氏は死刑執行までの間、独房で玄真のお目付け役を務めていました。
独房で玄真は、「自分は人の命を奪った、許されざる重罪人である」ことを認めています。

ただし、「5人(プロフェッサーの殺害人数)の命」とは言っていないところが大きなポイントです。

そして玄真は独房に「遺書」を持ち込んでいました。
この独房には紙やペンの持ち込みを禁じていましたが、遺書がミテルモン氏に見つかってしまったのです。
この遺書は玄真にとって、「命であり、最後の武器」と表現しました。
ミテルモン氏は遺書の存在を見逃します
 
しかし、処刑後の遺品の中からはその遺書が忽然と消えてしまったのだそうです。
ただ不思議なことに、その事実をバリケード所長に確認すると、独房に遺書はきちんと残っていたと実物を見せてくれます。
この謎の食い違いの真相は、最後の最後に明らかになります。

このミテルモン氏の「見逃し」が無ければら彼の懲戒免職は無かったかもしれません。
しかしこの「見逃し」が無ければ、真実は永遠に闇の中だったでしょう。
アソウギはミテルモン氏に感謝しなければならないですね。

死亡推定時刻の偽装とクリムトの司法解剖

法廷1日目では、検死結果に死亡推定時刻が書かれていなかったことが取り上げられました。
その点について監察医のマリア・グーロイネさん(ドクター・シスの娘さん)にお話を伺うことに。

死亡推定時刻は犯人による偽装工作の可能性がある、という結果が出ていたにも関わらず
ヴォルテックス卿により一切の記載を止められていたというのです。

「現場付近に偽装工作のできるような設備は無い」という事で記載させなかったのだそうですが、だとしたら何も書かせないほうがかえって怪しさが増す気がしますが・・・。
この点に関してはストーリー展開のの都合上なのかもしれません。

話はプロフェッサー事件を解決に導いた検死解剖に移ります。
その場にドクター・シスはいたものの、第二助手だったためその様子はほとんど見ることが出来なかったのだそうです。
第一助手は東洋の国から来た留学生だったそうです。
え、それってまさか・・・ミコトバ教授?
 
記録を確認しようとしたところ、何者かに持ち出されていることが明らかになります。
すると、なぜかアイリスちゃんが明らかに動揺した様子でその場を離れようとします。
え、なぜにアイリスちゃんがそこまで動揺するの・・・?

ホームズさんの相棒の正体が明らかに

新しい事実がどんどん明らかになっていきます。
 
アイリスちゃんの謎の動揺が心配で事務所に戻ると、検死解剖記録をアイリスちゃんが持ち出していたこが判明します。
解剖記録の筆跡と、「アイリスちゃんのパパのメモ」の筆跡が一致していたからだそう。
そこから、「アイリスのパパの名前はジョン・H・ワトソンなのだ」と理解したのだと言います。
 
実は解剖記録の内容は第一助手のミコトバ教授が書いたもので、ジョン・H・ワトソン博士は最後のサインだけをしているのです。
メモの作成者、つまりホームズさんの相棒の正体がミコトバ教授であることが明らかになります。
 
となると、アイリスちゃんのパパはミコトバ教授、アイリスちゃんとスサトさんは腹違いの姉妹・・・?
かと思いきやそこは残念ながら(?)思い切り否定しています。
アイリスちゃんも非常に残念がっていました。

次ページからは第5話です!ホームズ&ミコトバの快進撃がここから始まります!

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第5話 成歩堂龍ノ介の覺悟

いよいよラストです!第5話で明らかになる事実は以下の通り。

ポイントが全くポイントになっていないくらい長くなってしまいました…でも全部重要…

・グレグソン刑事は事件当日、「死神」の任務として密輸品の捜査のために船へと乗り込んでいた。実際にはジゴク判事の元にグレグソン刑事をおびき寄せるための嘘の任務であった。

アソウギは「死神」の実行犯としてグレグソン刑事に同行した。ターゲットはグレグソン刑事であったが、実際には手を下していない。

・4人の人物が登場する英国政府の極秘通信は、交換留学生として暗殺者を互いに派遣する交換殺人」の契約書であった。同じ内容の文書がジゴク判事の執務室から発見された。

・この極秘通信を傍受していたホームズさんは、グレグソン刑事に迫る身の危険を知っていた。だからこそ、アソウギを死んだことにして英国留学を止めさせようとした。

成歩堂さんという想定外の存在により交換殺人はあわや不履行になりかける。そのためグレグソン刑事の暗殺と遺体の運搬、死亡推定時刻の偽装工作はジゴク判事自身が実行。この交換殺人契約は英国側から命じられ、従う他無かったと主張。

・交換殺人実現のために「死神」の組織を利用した事から、死神の中心人物と交換殺人を企てた人物は同一

・死神が交換殺人で狙った2人の命は、「プロフェッサー事件」の担当刑事と監察医だった。プロフェッサー事件解決にはねつ造された証拠品が使われており、ねつ造は「司令」によって実行された。2人に「司令」を出すことが出来た「担当検事」が死神の正体であるという結論に至った。

・バンジークス卿が担当検事となったのはねつ造が実行された後であり、本来の担当検事、すなわち死神の正体はヴォルテックス卿だった。

・玄真はねつ造された証拠品によって無実の罪を着せられていたが、最大の武器である「クリムトの遺書」によって取引し、脱獄を支援してもらう約束を取り付けた。

プロフェッサーの正体は、クリムト・バンジークスだった。クリムトはバルムング号という大きな猟犬を飼っていた。バルムング号はバスカビル家の首輪をしていた。この首輪はクリムトの妻が嫁入りする際に持ち込んだ、家宝だった。

・行方がわからなくなっていたクリムトの遺書は、玄真が狩魔のツカに隠していた。遺書には、ハート・ヴォルテックスが脅迫してプロフェッサーの殺人を行わせていた事実が告発されていた。

ヴォルテックス卿がジゴク判事に命じて、墓から現れた玄真を射殺させた。その後それをダシに脅迫して交換殺人を命じることとなった。

・プロフェッサー事件当時、クリムトの妻は身重だった。玄真からクリムトの願いを託されたミコトバ教授は、生まれた子供に「アイリス」と名付けた。

・成歩堂さんは日本へ帰国し、弁護士の道を歩む「覺悟」を決めた。

法廷2日目

アイリスちゃんは何やら色々と準備があるらしく、傍聴席には行けない様子。

ホームズさんとミコトバ教授ペアも昨日の「調査」に出てから帰ってきていないらしい。

そして疑惑のジゴク判事もしばらく姿を見かけていません。一体どこに…。

法廷2日目はまず、事件当日のグレグソン刑事の動きを明確にしていきます。
ジーナちゃんの証言で、密輸組織の捜査のためにとある船に乗っていたことが明らかになります。

そしてアソウギは、その日グレグソン刑事と同行していないと知り得ない情報をうっかり口を滑らせてしまいます
そこからアソウギは事件当日、「死神」の殺害担当としてグレグソン刑事と行動をともにしていたことが明らかになります。
しかし客室にジゴク判事はおらず、アソウギ自身も何もせずにダンケルクに1泊して英国へ戻ったといいます。

当のジゴク判事は現在も行方不明。このままではアソウギに疑いがかかってしまうところですが…。
ここで30分の休憩が組まれます。

謎の技術でホームズ&ミコトバと交信

開廷前、「打つ手がなくなった時に耳を引っ張って」とアイリスちゃんに言われて、うさぎのマスコットを渡されていました。
そのとおりにすると、なんとうさぎのマスコットからホームズさんの声が聞こえます。
これまた珍妙な…

ともかく、ホームズさん&ミコトバ教授ペアは、先回りしてジゴク判事を追っていたようです。
ジゴク判事は船で逃亡しようとしていた様子。

ホームズさんの中では「アン・サッシャーが死神の実行犯」という事実を知ったタイミングで、すでに当たりを付けていたようですね。

ここからは2人のターン。10年ぶりの相棒との論理の旅にどこかいつもよりイキイキとしている様子が感じられます。
しかもここでミコトバ教授のタップダンス!こだわりのモーションは必見です笑
 
当時ミコトバ教授は意外と茶目っ気があるというか、やんちゃな感じというか、そういう感じだったのでしょうか・・・この演出はとても意外でした笑

なんとか無事ジゴク判事を確保し、英国へと戻ることに。
ジゴク判事の無事が確認でき、審理は明日へ持ち越しとなります。
謎技術のお陰で間一髪、持ちこたえました。

この2人のターンはとても短いものでしたが、ホームズさんのいつもと違う、本気のキレッキレの推理とミコトバ教授との阿吽の呼吸にとても熱い気持ちになりました。この2人の物語も単体で見てみたい!

名探偵の嘘と「交換殺人」の仮説

ホームズさんは国際電信で、とある記録を日本にて捜索させていました。
4人の人物が登場する極秘通信です。この通信内容がジゴク判事の執務室から発見されます。

その調査結果を受け、ホームズさんは仮説を成歩堂さんたちに伝えます。
この極秘通信は、交換殺人」の契約書だったのではないか、という仮説です。
 
交換留学生に暗殺の任務を負わせ、日本と英国それぞれにいるターゲットを殺害する。
A・サッシャーはジョン・H・ワトソンを暗殺、K・アソウギはT・グレグソンを暗殺する
そしてそれぞれ領事裁判権を発動し、無罪とするという契約内容です。

この仮説を思い立った時、ホームズさんはグレグソン刑事の身に迫る危険を回避すべく様々な行動に出ます。

まずは英国から出るようにグレグソン刑事に働きかけます。その結果パリ警察への転勤が決まっていました。
そして、アラクレイ号では「アソウギ」という人物を英国に送らせまいと船員に働きかけて上海で身柄を下ろそうとしましたし、
次なる暗殺者を送らせまいと何も知らなそうな成歩堂さんを英国へ向かうようにけしかけていました。

成歩堂さんたちに嘘をついて、アソウギを死んだことにしていたのはこういった事情があったからなのですね。

ここまでしたにもかかわらずグレグソン刑事を守ることが出来なかったのですから、ホームズさんの悔しさは計り知れません。

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法廷3日目・グレグソン殺人事件に決着

被害者:トバイアス・グレグソン

真犯人:慈獄政士郎

死因:船内で銃殺(その後死亡推定時刻と現場を偽装)

動機:交換殺人による暗殺を英国側の人間に命じられていたため

ジゴク判事をやっと証言台に引きずり出すことが出来ました。
ジゴク判事は執務室にあった記録から「交換殺人」の存在を認めつつ、それを命じたのは英国側だったと主張します。

また、成歩堂龍ノ介という想定外の留学生代理が出てきてしまったため、ジゴク判事は変わりの暗殺者を送り込むこともできなくなりました
ホームズさんの策略が見事にハマったというわけです。

そして、その後審理が進み、あらゆる点でジゴク判事にしか犯行は出来ないということが立証され、グレグソン刑事殺害の犯行を認めます

暗殺者を送り込むことが出来ないのなら自分自身で手を下すしか無い、とジゴク判事は腹をくくったのですが、英国側の人間にはターゲットをジゴク判事の元へおびき寄せるよう依頼したといいます。

ここで1つの事実が浮かび上がります。
交換殺人を日本に命じた「英国側の人間」は、グレグソン刑事を誘導するために「死神」としての任務を彼に課しました。
つまり、交換殺人を企てた人物と、死神の中心人物は同一人物だということです。

徐々に最後の黒幕の姿が見えてきました。
と言っても、もう大体見えてますけどね笑

「はい、そうなんです、初めて見たときから思ってました。この人はやる!って・・・」

的な。

審理の続行とヴォルテックス卿への疑惑

グレグソン刑事殺害に関しての真犯人は明らかになりました。つまり、この時点でバンジークス卿の無実が証明されたことになります。

しかし、アソウギは今回の殺人事件と交換殺人を裏で手引した「英国側の人間」、すなわち「死神」の正体こそバロック・バンジークス卿であると告発し、かなり熱いトーンで審理の続行を求めます。

スサトさんは相変わらず「アソウギは冷静でない」「論理を見失っている」とやや引き気味ですが、第4話のアソウギとの対話ですでに、成歩堂さんの覚悟は決まっていました。

確かに。今のアソウギは、いつものあいつではない・・・
でも・・・それは、分かっていたことだ。
・・・僕は。そんなあいつに最後まで立ち向かう覚悟なのです。
弁護士として・・・そして、友として。

大逆転裁判2 第5話 成歩堂龍ノ介の台詞

アソウギは、「死神」の実行犯として暗殺者の任務を負ってまでも、審理の途中に泥臭く感情的になってしまったとしても、真実のために貪欲に食らいついています。
これまでのアソウギの印象とはおよそかけ離れたものです。
 
「自分の誇り」だったアソウギが、変わってしまったー
成歩堂さんにとっては少なからずショックだったと思います。
 
ただ、成歩堂さんが動揺することはアソウギもきっと予想していたと思います。
自分の「本当の使命」を伝えようとしていた矢先に事故に巻き込まれ、そのまま伝える機会を失ってしまったからです。
(使命を言いかけたシーンは伏線として実際にありますが、アソウギはアラクレイ号で成歩堂さんにすべてを伝えるつもりだったのではないかと思っています。)

だからこそアソウギは第3話終盤で記憶が戻って以降、たびたび成歩堂さんに感謝を伝え、そして「大法廷の結末を弁護席で見届けてほしい」とお願いしています。
「色々思うところはあるだろうが、どうか最後まで付き合ってほしい」という意図でしょう。
実際問題、第4話の状況でアソウギ1人で真実を明らかにすることは到底不可能でしたし、それはアソウギ自身理解していたと思います。
 
成歩堂さんは友として、この願いに応える覚悟を決めてくれました。
 
若干水を差すようですが、アソウギ目線ではこれが「心から信頼する友、成歩堂龍ノ介」へのお願いだったのか、それとも「真実を明らかにするために必要な駒」へのお願いだったのかは気になるところです。
(大逆転裁判1の頃から、密入国というかなり危ない方法を取ってまでも、友である成歩堂さんを英国へ連れて行こうとする姿勢にやや違和感を覚えていました。)
 
まあきっと前者なのでしょうが、成歩堂さんとアソウギの出会いや、親友となった経緯が見てみたいところですね。

さて、アソウギはバンジークス卿を死神として告発する根拠を述べます。
交換殺人のターゲット2名には「プロフェッサー事件で証拠品のねつ造に関わった」という共通点が有りました。
犯人を特定するに至った検死解剖にはねつ造があったと生前のグレグソン刑事が言っていたそうです。
また、「ねつ造は司令に従ったまで」とも言っていたそうです。
そこからアソウギは、事件の担当刑事と担当監察医に司令を出せる立場の人間、担当検事こそが死神であると結論づけました。

バンジークス卿はその告発を聞き、ある人物への疑いを表明します。
そもそも当初の担当検事はバンジークス卿ではありませんでした。
プロフェッサー事件のすべての捜査を取り仕切り、検死解剖を行い、証拠品を揃えたのはヴォルテックス卿だったというのです。

プロフェッサー事件のねつ造と2つの遺書

プロフェッサー事件を解決に導いた証拠とは、「指輪」でした。
検死解剖によって、ジョン・H・ワトソン医学博士があたかもクリムトの体内から出てきたかのように演じたのです。
当時第一助手として立ち会ったミコトバ教授としては、食道にキズが無いという点からしてやや不審だったと言います。

ここから議論は「プロフェッサー事件の真実」へと展開していきます。
そもそもグレグソン刑事殺害についての審理であったため、裁判長であるヴォルテックス卿は審理の続行を渋ります。その時点でまあー怪しいですね。
「一点の疑う余地も無くなるまで、真実を明らかにするとご自分で仰ってたじゃないですか」であっさりねじ伏せられます。
ヴォルテックス卿が失言してくれてよかったね、アソウギ。

彼はこの発言を相当後悔したに違い有りません。

まず焦点となったのは、「審理中、玄真は一切反論しなかった」という点です。
そもそもねつ造された証拠によって玄真はプロフェッサー事件の犯人として罪を擦り付けられるところだったのですから、「罪を認める代わりに脱獄を手配する」という取引があったことが分かります。
 
玄真側の取引材料とは一体何だったのかが次なる争点となりました。
本人は遺書が武器だという言葉を残していますが、実際の玄真の遺書の内容は英国側になんの不利益ももたらしません。
 
そこでミテルモン氏の奇跡の観察眼に救われることになります。
その時見た遺書は「スカーレットのインキ」だったというのです。
それが「クリムトも生前、遺書を作成していた、つまり自ら命を断っていた」という事実までも明らかにしました。
 
成歩堂さんはクリムトが自殺しているという事実から「プロフェッサー事件の実行犯はクリムトだった」という仮説を提示します。
バンジークス卿は、クリムトが猟犬を飼っていたことを認めます。
また、猟犬が「バスカビル家の首輪」をしていたこと、バスカビル家とはクリムトの妻の家であることにも言及します。
 
ただし、クリムトの遺書の所在は未だ明らかになっていません。あくまで仮説に過ぎないわけです。

いつもの逆転裁判的展開であれば、「でもそれは仮説に過ぎないだろう」で一蹴されるところなのですが…ここであの人がしゃしゃり出てきます。
どこか焦りを感じますね。

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プロフェッサーの正体、そして死神の誕生

するとおもむろに、ヴォルテックス卿が話し始めます。
クリムト・バンジークスは悲しいほどに純粋で、検事として悪を追ううちに、「悪に対抗するためには自分自身も悪にならねばならない」という結論に達したというのです。
 
プロフェッサーの正体はクリムト・バンジークスであることをヴォルテックス卿が認めました
 

当時この事実に気がついてしまった玄真はヴォルテックス卿に進言しますが、乏しい根拠を理由に聞き入れませんでした。
その日の夜、玄真はクリムトの元を訪れ、そのままクリムトは帰らぬ人となります。
玄真は「殺害」という方法でプロフェッサーの犯行を止めたのです。

クリムトは大英帝国の正義の象徴として今日まで君臨している存在です。
ヴォルテックス卿は「大英帝国の司法を守るため」、あらゆる手段を使ってこの事実をひた隠しにしてきたといいます。

検死解剖のねつ造を指示したことも認めました。
そしてヴォルテックス卿は、プロフェッサーとして有罪判決を受けることを玄真に認めさせます。
その際には息子のアソウギを引き合いに出して、なかば脅迫に近いかたちでした。
一方の玄真は最後の武器である「クリムトの遺書」を引き合いに出し、祖国に帰すことを約束させます。

でも交換殺人までやってのけてしまう位なので、どちらにしても玄真は、いずれ死神のターゲットにはなっていたような気がします。本当に狡猾な人物ですね。

死神を生み出した張本人もヴォルテックスであることを認めます
ここでもダメ押しで、「大英帝国の治安を守るため」「大英帝国の司法を守るため」仕方がなかったということを強調します。

大英帝国の安寧を保つため、この件はこの場限り、女王陛下のお耳にも入れないということを傍聴席の司法関係者に提案します。
この傍聴席を味方につけようとする当たりはユガミ検事のやり方を彷彿とさせますね。

クリムトの遺書の発見と最後の告発

これ以上の追求は、クリムトの遺書が無い以上不可能としてヴォルテックス卿は審理を終了しようとします。
終わりが見えて安心しきってしまったのか、ここで最後にして最大の失言が飛び出します。
玄真の3枚目の遺書の存在について言及してしまいます。
そこにはクリムトの遺書の在り処がパッと見ではわからないように暗号のように書かれていました。
名刀狩魔のツカの中、そこに10年間、眠っていたのです。

アソウギと成歩堂によって守られていた最後の証拠品です。

その中には、玄真がクリムトに決闘を申し込んだこと、プロフェッサーとして最初の犯行を行ってからはある人物に脅迫を受ける身となったこと、脅迫者はハート・ヴォルテックスであることが書かれていました。

ヴォルテックス卿は何も、否定しませんでした。
墓荒らしにあってしまった玄真は、ジゴク判事によって射殺されました。それもヴォルテックス卿の命令でした。
日本での外務大臣の地位を約束し、言いなりにさせたのです。不測の事態とはいえジゴク判事も大概ですし、なによりヴォルテックス卿自身が手をくださないあたり本当に卑怯な男ですね。

玄真は「クリムトが犯人である」という真実にたどり着き、決闘という手段を取ったがために、ヴォルテックス卿に陥れられてしまいました。
「玄真が決闘さえ申し込まなければこんなことには…」と皆が感じたでしょうが、アソウギ自身もグレグソン刑事に対して「あと一歩」のところでした。

強い正義感と殺意は紙一重なのだと感じていたはずです。自分の父の行為を責めきれない、複雑な心境だったのではないでしょうか。

そして驚いたことにヴォルテックス卿にとどめを刺したのはホームズとアイリスちゃんでした。
昨今の技術でも難しいトンデモ技術によって、ホログラム映像?で法廷に姿を表します。
「今女王陛下と共にいること」「これまでの審理はすべて女王陛下も見ていたこと」の2点が告げられました。

この瞬間を持って、ヴォルテックス卿は女王陛下の名により失脚し、全てが終わりました。

結審・アイリスちゃんの素性

成歩堂さんは閉廷後も複雑な心境でいました。
最終話の弁護士あるあるかもしれませんね。

「依頼人の笑顔」は逆転裁判でよくある演出なので、バンジークス卿、最後は笑うのかなと思ったんですが、笑いませんでしたね・・・
とっておきということでしょうか!?

ミスター・ナルホドー。
この大法廷で、初めて貴公と向かい合ってから・・・1年。
今日ほど見事な弁護を聞くことになるとは・・・感服した。

でも、僕は、あなたが、最も知りたくない真実を司法関係者の前で暴いてしまいました。
僕は・・・あなたの大切なものを壊してしまった気がするのです・・・

あの者は、こういった。「闇に立ち向かうためには闇が必要なのだ」・・・と。
しかし。それは・・・弱気者の逃げ口上に過ぎない。
真実から目をそらすものに、闇に立ち向かう資格はない。
貴公たちは、それを見事に立証してくれたのだ。

大逆転裁判2 第5話 バロック・バンジークスと成歩堂龍ノ介の台詞

バンジークス卿が「自分は大丈夫だ」とは言っていないところが若干不安です。
成歩堂さんによってほとんど社会的立場はかなり危うくなったと思います。
正直、逆転裁判3のゴドー検事よりも断然バンジークス卿の方がその後の社会的ダメージ大きそうですよね。(まあ、ゴドー検事の行為は本人の意思でやってるから別枠かもしれませんが)
それでも事実を公表すると言ってのけたのですから、きっと、その思いにロンドン市民は応えてくれると信じたいものです。

そして最後にサプライズが待っていました。
アイリスちゃんの素性です。
アイリスちゃんはクリムトとその妻の間の子供、つまりバンジークス卿の姪にあたる事実が明らかになりました。

バスカビル家の首輪が登場した2話では、アイリスちゃんは紋章に見覚えがあるような反応をしていましたがこれが伏線となっていました。
ただ、この事実はアイリスちゃんが「殺人鬼、プロフェッサーの娘」ということも指し示しています。
本人には伝えるべきではないとして、ミコトバ教授とホームズさんが協力して真実に近づけさせまいとしていたわけですね。


ミコトバ教授は名付け親、ホームズさんは育ての親。
これからはバンジークス卿がそこにどう関わっていくのか、楽しみですね。

アイリスちゃんとホームズの関係は何だか素敵だなと常々見ていました。
彼女が「本当のパパ」にこだわることを止めたことで、2人の関係はより強固に、唯一無二のものになった瞬間のやり取りも好きです。
ちょっと顔を赤らめていう姿がまた可愛らしいんですよね・・・。

私、やっと分かったから。アイリスのパパは・・・やっぱり世界一なの。
だから。もう・・・名前なんて、どうでもいい。
そうだよね?ホームズ君。

ああ。もちろんだよ。アイリス。

ありがとう。ホームズ君。・・・私の、パパ。

大逆転裁判2 第5話 アイリスとシャーロック・ホームズの台詞

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成歩堂さんの覺悟

成歩堂さんは、ミコトバ教授のお願いに対し答えを出します。

僕が弁護士になったのは、成り行きみたいなものでした。
・・・アソウギや、スサトさん、そしてホームズさんに背中を押されて・・・1年間、夢中でやってきたけど、どこかに迷いがあった気がします。

今日の法廷に立って、はっきり、分かったのです。僕は、依頼人を信じて、全力で最後まで、戦い抜くことができた。
そして・・・やっと、気づいたのです。
これは、僕が自分で選んだ道だったのだ、と。

僕は、日本に帰ります。
・・・弁護士として。そして。これからの一生をかけて、その道をゆくつもりです。

それが、君の「覚悟」なのですね。
わかりました。その言葉を聞いて、私も嬉しいです。

大逆転裁判2 第5話 成歩堂龍之介と御琴羽悠仁の台詞

その覚悟をミコトバ教授に伝えた後の、成歩堂さんとスサトさんの会話も忘れられない1場面です。

成歩堂さんはスサトさんについて来てほしい思いをグッと堪えて、アソウギを助けてやってくださいと伝えます。
 
本当は、スサトさんもそれを待っていたんですけどね。
「あの・・・スサトさん。」と成歩堂さんがスサトさんを呼びかけた時の、スサトさんの緊張感のある顔、そして思った言葉ではなかった時のがっかりした表情の落差がなんとも言えません。

そのあとは窓辺を節目がちに見て、早々に会話を切り上げようとします。ああ、この後スサトさんはきっと、少し泣いてしまうだろうな、とも感じました。
モーションも丁寧に組まれた、素敵な場面でした。


そしてBGMがまた・・・いい雰囲気で切ない感じなんですよね・・・

今までの逆転裁判でメインキャラの恋愛?要素はなかったと思うので、とても新鮮に写りました。
そもそも「ナルホドさんのご先祖様」ということは結婚して子供がいるということは初めからわかっていることなので無礼講ということでしょうか・・・。

帰国の時

ホームズさんとミコトバ教授の活躍をもっと見たかったプレイヤーは多いのではないでしょうか。あまりにも早すぎる別れですね。

短い再会でしたね。でも。10年ぶりに、また君と事件を追うことができて・・・束の間。
あの頃に戻ったような気持ちになりましたよ。

ああ。僕もだ。まあ・・・なんというか。悪くないものだね・・・たまには、こういうのも。

大逆転裁判2 御琴羽悠仁とシャーロック・ホームズの台詞

ぜひ日本に遊びにきて大暴れして欲しいですね!

そして、アソウギと成歩堂さんも別れを惜しみます。
アソウギは、検事の道を進むことを決めたと告げます。バンジークス卿の元で勉強するそうです。
そりゃバンジークス卿にはロンドンを離れられては困りますよね。引き止めたのも頷けます。

アソウギは、成歩堂さんに一つお願いをします。

俺は・・・見てしまった。あの日。俺の中に棲む魔物の姿を。
あの刑事と対峙した、最後の時。瞬きにも満たぬ、ほんの刹那・・・俺は・・・あの刑事に対して、確かに殺意を抱いていた。
人の心に巣食う魔物・・・そいつは、俺の中にもいたのだ。
俺は、その事実を永遠にこの胸に刻む。そしてその魔物に魅入られた者たちとこれから対峙していくつもりだ。検事として!

それが・・・お前の覚悟ということか。

俺が、自らの中に棲む魔物を斬り伏せる、その日まで。これは、貴様に託す。受け取ってくれ。

それでは、その日まで・・・僕は、僕の道をゆくよ。

大逆転裁判2 亜双義一真と成歩堂龍ノ介の台詞

ここで流れるアソウギのテーマが、場面を最高潮に盛り上げます。
狩魔は成歩堂さんに託され、日本へと渡ることになります。

帰国当日のシーンは、一人一人がしっかりと心に刻みつけるような、重みのある会話ばかりで本当に心にジーンと来っぱなしでした。

そして最後の最後、スサトさんも「覚悟」を決めて成歩堂さんとともに行きたいという気持ちを伝えます。

気を遣って最後の一押しが出ない、でも素直に、率直に好意を伝える成歩堂さんと、
理知的で奥ゆかしさを持ちつつも、自分の意見をしっかりと持って言う時は言うスサトさん
いいコンビですよね。

「これからも。僕と一緒に闘ってくれますか!」ってプロポーズに近い感じがしますけど、それを恥ずかしげもなく(そして自覚もなく)スパッと言ってしまえるところが、またいいんでしょうね、スサトさん的には。

最後は成歩堂さんとアソウギが刃を重ね、弁護士と検事として、必ず再会することを誓います。
最高に熱い終わりです。

最後の締めはいつもの「異議あり」!
でもいつもの茶化す感じではなかったですね。

日本と大英帝国、遠く海を隔てた地に居ても
会いたくなったら、お互いにそっと目を閉じます。
そこに懐かしい「あの声」を聞くために。

最後のシーン、謙遜なしに何度見ても飽きません。

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ところで第4話タイトルについての考察をしたい

第4話のタイトル「ねじれた男と最後の挨拶」とは一体何を指しているのでしょうか。
非常に深いタイトルだと思うのですが皆さんはどう思いますか?

2021年8月19日追記

「大逆転裁判1&2」が発売されましたね~!

開発ブログを見るに、もしかしたらこのタイトル、原文も英訳もなにかのオマージュなのかもしれない…?という気がしてきたのですが、当方シェイクスピアや文学系の知識がからっきしなので…

もし分かる方がいらっしゃったらこっそり教えて下さい!笑


英訳は”TWISTED KARMA and HIS LAST BOW”。
直訳すると「ねじれたカルマと彼の最後の礼」となります。
 
“KARMA”は「業、宿命、因縁」「報い」という意味もある他、無論、亜双義家の魂である名刀「狩魔」を表しているとも取れます。
「宿命、因縁」という言葉からはバンジークス卿、兄クリムト、アソウギ、玄真が連想されます。あとは、コミカルとシリアスの二面性を持った(ねじれた)死神という意味でグレグソン刑事もあり得るかも…
 
礼をするモーションですぐに思いつくのは、バンジークス卿とアソウギ、あとはグレグソン刑事もあったような気がします。クリムトと玄真は最初から亡くなっているのでわかりませんね。
 
そして、「最後の挨拶」とは「遺書」のこととも取れますね。グレグソン刑事はジーナちゃんに生前、手紙を残していたそうです。これも、「遺書」とも言えそうです。


エピソード選択画面の挿絵を見ると、夜の街で石畳の上に1人の男性が立っています
これが「ねじれた男」なのでしょうか。顔ははっきりと写っていませんし背格好もこの絵からはほとんど読み取れません。マントを身に着けていることは分かります。
しかしながらこの挿絵の情景、バンジークス卿と玄真が襲われた時に似ていますね。夜盗の中に混じったグレグソン刑事という線も案外あり得るかも?

・・・色々ごちゃごちゃと書き連ねましたが、私個人としてはこう結論づけました。
 
「ねじれた男と最後の挨拶」と”TWISTED KARMA and HIS LAST BOW”は、訳文としてイコールの関係にあるのではなく、それぞれ別の意味を持っていて、決闘前と決闘後の様子を表しているのではないでしょうか。

・タイトルの主語は和英ともに「亜双義玄真」。(挿絵がそれを表している)

・ねじれた男はクリムト・バンジークス。(「高潔の騎士」と「恐怖の殺人鬼プロフェッサー」というねじれ)

・「ねじれた男と最後の挨拶」は決闘前の様子を表している
亜双義玄真は、クリムト・バンジークス(ねじれた男)と最後に挨拶を交わす(決闘を申し込む)。

・”TWISTED KARMA and HIS LAST BOW”は決闘後の玄真の行動を表している
He twisted KARMA and took a bow.
彼は狩魔(KARMA)をねじって(TWISTED)クリムトの遺書をしまい、1つ礼をしてその場を後にした。

ただ、第4話の時点では決闘に関して一切明らかになってないんですよね。
それをタイトルにするのか?というところもありますよね…。
大逆転裁判2の全プレイヤーさんにこのタイトルの解釈を聞きたい!

最後に

とても長い振り返りになってしまいました。
それでも泣く泣く端折った部分多数なので、これを読んで、既プレイヤーさんの中にどこまで「あの時の感動」を呼び起こすことができるか・・・やや不安ではあります。
そして自分自身しばらくたって読み直して「やっぱり最高だったな」と思えるか・・・・。

あと、この記事を書くにあたって何箇所か再度プレイしなおしたのですが、改めてモーションの凄さに目を見張りました。今回はアニメーション映像が無かったのですが、キャラクターが生き生きと動く姿はかなり見応えがあります。(2でのお気に入りはペテンシー)
初回プレイはストーリーを追うので精一杯だったのですが、2周目の視点ではまた色々と感じるところが違って、本当に奥の深いゲームです。

ただ、こうしてまとめるのはやや苦痛を伴う程度に非常に大変だったので、今後ここまでの振り返りはやらないかもしれません。笑

とりあえず、購入してからまだ開いてない原画集を読みたいと思います。
この記事が書き終わるまで原画集は読まない!と決めて我慢していたので、これから読んでまたさらに、大逆転裁判の世界に浸りたいと思います。

この素晴らしいゲームと出会えたことに感謝!

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これからも役に立つ記事を沢山書いていこうと思います!ありがとうございました!

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この記事を書いた人
れんじゃく

ゲームが生きがい。ストーリーをよく考察してます。仕事とゲーム以外の時間は限りなくゼロにしたい!一人暮らし向きの早うまメシを探し求める毎日。

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コメント

  1. 「えむじぇいの湯」で検索 より:

    アイリスは「あやめ」から取った。
    あやめは美柳あやめ?
    美柳あやめは綾里家の人間。
    つまり、アイリスと真宵ちゃんは家系的に繋がってる?
    なるほどくんはもちろんなるほどくんとなるほどくんが同じ家系。
    真宵ちゃんとアイリスが家系的な繋がりがあれば、共になるほどくんを助ける子ということで、面白いかも?

    • コメント有難うございます!
      本編ではアイリスの名前の由来も明かされていましたね!
      たしか、ミコトバ教授の亡くなった奥様の名前が「あやめ」だったところから来ていると言っていましたが、そういえば逆転裁判シリーズにはもう一人「あやめさん」がいましたね…!
      そこに繋がりがあるのだとしたら実に興味深い考察ですね!

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